こうないえん
口内炎
概要
口内炎は、唇の内側や頬の粘膜、舌などにできる小さなただれです。中央が白っぽく、周囲が赤く縁取られた小さな傷のように見えることが多いです。強い痛みを伴う場合もあり、食事や会話に支障が出ることもあります。口内炎は子どもから大人まで幅広い年代でみられますが、思春期やストレスの多い時期に特に生じやすいといわれています
口内炎の原因
口内炎のはっきりとした原因はまだ完全には解明されていませんが、複数の要因が重なって発症すると考えられています。主な要因は次のとおりです。
- 1.外的刺激・傷
- 口の中を誤って噛んでしまったり、硬い歯ブラシで粘膜をこすりすぎたりすることがきっかけでできる傷から細菌やウイルスが入り込み、炎症を起こす場合があります。
- 2.ストレスや疲労
- 精神的なストレスや疲労がたまると、体の免疫力が低下し、口内炎ができやすくなります。
- 3.栄養不足
- 鉄やビタミンB群などの不足が口内炎のリスクを高めると言われています。偏った食事やダイエットなどで栄養が偏ると、発症しやすくなる可能性があります。
- 4.ウィルス感染
- ヘルペスウィルスやコクサッキーウィルスなどによる感染
- 5.ホルモンバランスの乱れ
- 特に女性の場合、生理周期の変動によってホルモンバランスが変化し、口内炎が生じやすくなることがあります。
- 6.遺伝要因
- 家族の中に再発性の口内炎に悩む人がいる場合、本人も口内炎を繰り返しやすいという報告があります。
口内炎の症状
口内炎の特徴的な症状は、口の粘膜にできる白っぽい潰瘍です。大きさや症状の重さは人によって異なりますが、共通してみられる症状は以下のとおりです。
- 1.円形や楕円形の白い潰瘍
- 潰瘍のまわりは赤く腫れて炎症を起こしています。大きさは数ミリ程度から1センチほどになることもあります。
- 2.痛みやしみる感じ
- 話をしたり食事をしたりする際に強い痛みを感じる場合があります。特に辛いものや酸っぱいもの、熱いものがしみやすいです。
- 3.再発を繰り返す
- 一度治っても、ストレスや疲れなどのタイミングで何度もできる人もいます。再発を繰り返す場合、「再発性アフタ」とも呼ばれます。
通常、症状は1週間から2週間ほどで自然に治ります。ただし、痛みが強かったり、長期間治らなかったりする場合は別の病気が隠れていることもあるので注意が必要です。

口内炎の検査・診断
口内炎は、典型的な見た目や痛みの症状から、医師や歯科医師が視診・問診を行うことで診断されることがほとんどです。具体的には以下のような方法があります。
- 1.視診
- 口の中の潰瘍の状態や数、大きさを目で確認し、口内炎かどうかを判断します。
- 2.問診
- いつ頃から症状が出ているか、痛みの程度、普段の食生活やストレスの有無、歯ブラシやマウスピースの使用状況などを確認します。
- 3.必要に応じた検査
- 長期間治らないケースや再発を頻繁に繰り返す場合、血液検査などを行い、栄養状態や免疫状態、ほかの疾患の有無を調べることがあります。
多くのケースでは、特別な検査をしなくても視診と問診だけで診断が可能です。
口内炎の治療
口内炎は多くの場合、自然に治ることが特徴です。しかし、痛みや不快感をやわらげたり、治りを早めたりするために、以下のような治療や対処法が用いられます。
- 1.外用薬の使用
- 薬局や病院で処方される口内炎用の軟膏やジェル、パッチなどを患部に塗布して痛みを軽減し、治りを促進します。ステロイドやアラントインなどの成分を含むものが一般的です。
- 2.ウィルス感染が疑われる場合は抗ウィルス剤の使用
- 3.うがい薬の活用
- 抗炎症作用や殺菌効果をもつうがい薬を使うと、口の中を清潔に保つことができ、症状の悪化を防ぎやすくなります。
- 4.痛み止め
- 痛みが強い場合は、鎮痛薬の内服や口腔用スプレーを使って痛みを抑えることも検討されます。
- 5.ビタミンや鉄分の補給
- 栄養不足が疑われる場合は、サプリメントやバランスのよい食事を心掛けることで、再発を予防しやすくなります。
- 6.生活習慣の見直し
- ストレスの軽減や十分な睡眠、適度な運動、口の中を傷つけない歯ブラシの選択など、根本的な原因を取り除くことも再発予防や症状改善に大切です。
口内炎の合併症
口内炎自体は重大な合併症を引き起こすことは少ないですが、次のようなことには注意が必要です。
- 1.他の病気との関連
- 再発を繰り返す口内炎は、消化器の疾患(クローン病など)や自己免疫疾患(ベーチェット病など)と関連している場合があります。長期的に症状が治まらない、または大きな潰瘍が複数できる場合は、念のため受診して原因を調べることが望ましいです。
- 2.栄養不足の進行
- 食事をするのが痛くて十分に食べられない期間が長引くと、栄養不足を招くおそれがあります。特に成長期の中学生などは注意しましょう。
口内炎の予防
口内炎を完全に防ぐことは難しいですが、次のような工夫で発症リスクを下げたり、症状を軽減したりすることが期待できます。
- 1.口の中を清潔に保つ
- やわらかい歯ブラシで丁寧に磨き、定期的にうがいを行いましょう。歯ブラシの柄や先が口内を傷つけないよう注意が必要です。
- 2.栄養バランスのよい食事
- 鉄やビタミンB群、ビタミンCなどを意識的に取り入れることが大切です。野菜や果物、肉・魚、大豆製品など、いろいろな食品をバランスよく食べましょう。
- 3.ストレスや疲労をためない
- 規則正しい生活や睡眠時間の確保、適度な運動やリラックスできる時間を設けるなど、ストレス管理を心掛けましょう。
- 4.口の中を傷つけない工夫
- 歯科矯正やマウスピース、スポーツをする際の防具などを適切に使って、粘膜への物理的な刺激を減らすことも予防に役立ちます。
更新:2026.05.13
