にきび(じんじょうせいざそう)
ニキビ(尋常性ざ瘡)
概要
ニキビ(尋常性ざ瘡)は、皮膚の毛穴に皮脂や古い角質が詰まって起こる炎症です。思春期によくできるイメージがありますが、大人になってもできる場合があります。
ニキビは世界中でもっとも多い皮膚トラブルの一つとされ、日本でも多くの方が悩まされています。ニキビ自体は命にかかわるような病気ではありませんが、悪化すると痕(あと)が残ったり、見た目の問題から心理的ストレスを感じたりすることがあります。正しい知識を持ち、適切にケアすることで、ニキビの悪化を防ぎ、きれいな肌を保つことが期待できます。
ニキビの原因
ニキビができる原因は主に以下の4つが重なり合うと考えられています。
- 1.皮脂の過剰分泌(かじょうぶんぴつ)
- 思春期やホルモンバランスの乱れによって皮脂がたくさん出ると、毛穴を詰まらせやすくなります。
- 2.毛穴のつまり
- 古い角質や汚れがたまり、毛穴をふさいでしまうことで、ニキビができやすくなります。
- 3.アクネ菌
- アクネ菌は多くの人の肌に存在する常在菌ですが、過剰に増えると炎症が強くなり、赤ニキビや化膿を伴うにきびを引き起こします。
- 4.ホルモンや生活習慣の影響菌
- 思春期や生理前後、ストレス、睡眠不足、食事のバランスなどがホルモンの働きに影響を与え、ニキビが悪化しやすくなることがあります。
これらの要素が組み合わさることで、毛穴の中に皮脂や菌がたまり、炎症が進んでいきます。ニキビの治療や予防では、このサイクルを断ち切ることが重要です。
ニキビの症状
- 1.コメド(白ニキビ・黒ニキビ)
- 白ニキビ:毛穴の入り口がふさがっているため、皮脂や角質が毛穴の中にたまり、白っぽく見える状態です。
- 黒ニキビ:毛穴が開いていて、中身が酸化して黒く見える状態です。
- いずれも炎症がそれほど強くない段階です。
- 2.赤ニキビ
- アクネ菌の増殖などにより毛穴が炎症を起こし、赤く腫れた状態です。痛みやかゆみを伴うことがあります。
- 3.黄ニキビ・膿がたまるニキビ
- 赤ニキビがさらに進行し、毛穴の奥で白血球が菌と戦った結果、膿がたまって黄色や白色に盛り上がることがあります。触ると痛みが強く、つぶすと跡が残りやすいので注意が必要です。
- 4.硬結や嚢胞(のうほう)(※1)
- 深いところまで炎症が進んで、皮膚の下に硬いしこりや嚢胞という袋状の膿ができる状態です。放っておくとニキビ痕としてクレーター状のくぼみができたり、色素沈着(しきそちんちゃく)してしまうこともあります。
※1:液体の詰まった袋

ニキビの検査・診断
ニキビは一般的に、症状を目視で確認し、医師が診断を行います。多くの場合、以下のような流れで進められます。
- 1.問診
- いつごろからニキビができたか、どこに多く出るか、痛みやかゆみの程度、生活習慣(食事や睡眠、ストレスなど)について医師が尋ねます。
- 2.視診
- 皮膚の状態を実際に見て、ニキビの種類や広がり具合、炎症の程度を確認します。
- 3.必要に応じた検査
- ニキビでは血液検査などを行わないことが多いですが、場合によってはホルモンバランスや別の皮膚病を確認するために血液検査や細菌検査が行われることがあります。
ほとんどの場合、ニキビは見た目や症状の経過から判断が可能です。医師の診断を受けることで、適切な治療方法を選択できるようになります。
ニキビの治療
ニキビの治療方法は、症状の軽いものから重いものまでさまざまです。主に以下の治療が行われます。
- 1.外用薬
- アダパレン(ビタミンA誘導体類似物質)の外用薬:毛穴の詰まりを改善し、皮膚の生まれ変わりを促進します。
- 過酸化ベンゾイルの外用薬:アクネ菌を減らし、炎症をおさえる作用があります。
- 抗菌薬の外用薬:ニキビ菌の増殖を抑え、炎症を軽くする効果が期待できます。
- 上記3種類のくすりをそれぞれ2種類ずつ配合した合剤もあります
- 2.内服薬
- 抗菌薬:広範囲にニキビがある、重症化している場合などに、内服の抗菌薬が処方されることがあります。
- ホルモン治療薬:女性ホルモンのバランスを整える薬が使われる場合もあります。
- 漢方薬:上記の薬で改善のない場合、細菌感染抑制・炎症の改善効果のある漢方薬を使うこともあります
- 3.スキンケア指導
- 毛穴をふさがないクレンジングや洗顔の方法、保湿のしかたなど、医師や薬剤師からアドバイスを受けることがあります。適切な洗顔で古い角質や余分な皮脂を落とし、肌に刺激を与えすぎないようにすることが大切です。
- 4.ピーリングや光線治療
- ケミカルピーリング:薬剤で肌表面の角質をやわらかくし、はがれやすくすることで毛穴の詰まりを取り除きます。
- 光線治療:特定の光を照射して、アクネ菌の活動を抑えたり、皮脂の分泌をコントロールしたりする方法です。
治療は症状の程度や原因によって異なるため、医師や薬剤師とよく相談しながら進めることが望ましいです。ニキビは急に良くなるものではないため、数週間から数か月かけて徐々に改善していくことが多い点を理解しておきましょう。
ニキビの合併症
ニキビそのものが大きな病気につながることはあまりありませんが、以下のような合併症や後遺症が問題となることがあります。
- 1.ニキビ痕の形成
- 炎症が深い層にまで及ぶと、皮膚組織が傷つき、クレーター状にくぼんだ痕や色素沈着として残ることがあります。
- 2.二次感染
- ニキビをつぶしたり、傷口をいじったりすると菌が入り込み、化膿が進んでしまうおそれがあります。
- 3.精神的ストレス
- 見た目の変化により気分が落ち込んだり、人前に出るのが嫌になったりすることがあります。必要に応じてカウンセリングやメンタルサポートを受けることも考えましょう。
ニキビの予防
- 1.過度な洗顔
- 1日2回程度、刺激の少ない洗顔料でやさしく洗いましょう。洗いすぎやゴシゴシこする行為は逆効果になる場合もあるため注意が必要です。
- 2.バランスの良い食事と十分な睡眠
- 野菜や果物、タンパク質などをバランスよく摂取し、甘い物や脂っこい食事はほどほどにすることが望ましいです。また、睡眠不足はホルモンバランスを乱し、ニキビを悪化させる原因にもなります。
- 3.ストレスの軽減
- 勉強や部活、人間関係でストレスを抱えている中高生は少なくありません。適度な運動や趣味の時間を活用し、ストレスをため込まない工夫が大切です。
- 4.適度な紫外線対策
- 過度な紫外線は皮膚のバリア機能を壊し、ニキビを悪化させる場合があります。外出時は日焼け止めを塗る、帽子をかぶるなど適切な紫外線対策を行いましょう。
更新:2026.05.13
