アルコール依存症

精神科

アルコール依存症

どんな病気?

アルコール依存症とはお酒を飲むことをやめられず、日常生活に支障を来してしまう病気です。しかし、お酒はコンビニやスーパーなどで気軽に購入でき、日常的に目にする機会が多いため病気と認識されず、治療につながりにくいことが特徴です。しかし、病気が進行すると最悪死に至る恐れがあるため早期の治療や介入が必要になります。治療法としてはお酒を断つための断酒治療が一般的ですが、近年では酒量を減らす節酒も治療法の一つとして選択されることもあります。また、患者さんが治療につながる・継続するためには周囲のサポートや病気に対する理解も重要です。

症状

お酒を飲むことが生活の中で何よりも優先される

アルコール依存症は飲酒のコントロールが自分自身の力だけではできなくなる病気です。普段、私たちは「これ以上お酒を飲むと明日の仕事に影響が出る。」と判断し、その時点でお酒を飲みすぎないよう理性が働きます。しかし、アルコール依存症の患者さんは理性を越えて体や本能がお酒を強く求めてしまう状態になります。その結果、前日飲酒をしてしまい、翌日仕事に行くことができなかったり、「酒を買って来い」と家族に暴力をふるったり、飲酒運転をするなどさまざまな面で生活に支障を来してしまうのです。

検査・診断

実は身近にいる?お酒の飲み方に問題のある人とは?

アルコール依存症の診断基準は、後述の「症状をチェック」に示した6項目のうち3つ以上当てはまるとアルコール依存症と診断されます。また、飲酒の問題の程度を評価するテストとしてAUDIT(オーディット)(表)というものがあり、最近1年間のお酒の飲み方を振り返りながら採点します。40点が最高点でこのAUDITが20点以上の場合にはアルコール依存症が疑われ、生活に支障を来していることが考えられます。このAUDITの質問項目で「ドリンク」という単位が出てきます。下の表をご覧ください。

表

※厚生労働省e-ヘルスネットより
AUDITのドリンク数の参考にしてください。
日本酒1合=2ドリンク、ビール大瓶1本=2.5ドリンク、ウィスキー水割りダブル1杯=2ドリンク、焼酎お湯割り1杯=1ドリンク、ワイングラス1杯=1.5ドリンク、梅酒小コップ1杯=1ドリンク

治療と経過

お酒を飲まなくなればアルコール依存症は治る?

当院では患者さんが長く治療を継続できる環境を作りあげることを目標に入院と外来それぞれで治療を行っています。そして、治療で重要なのは表面的にお酒をやめることができたか否かだけに焦点を当てた治療をするのではなく、なぜ依存症になるまでお酒を飲むようになったのか、その根幹の理由を考える必要があります。実際当院にはお酒の飲み方以外にも多くの問題を抱えて来院する方が少なくありません。もしも皆さんから見てお酒の飲み方に問題がある人がいればぜひ専門医療機関への受診をお勧めします。

よくある質問

酔いやすい/酔いにくいお酒ってあるの?

お酒の種類によっては体から早く抜けるものもあると言われますが、基本的にアルコールを分解する速度というのはほぼ一定であるためお酒の種類によって早く抜けるということはありません。お酒の酔いの深さや抜けるまでの時間は体質や普段の飲酒習慣、そして飲んだお酒の総量(ドリンク数)と飲むスピードで変わります。一気飲みなどすれば途端に血液中のアルコール濃度が高くなり、酔いが深くなるのです。

症状をCHECK
※症状は人によりさまざまです

  • □ お酒が飲めない状況でも飲酒したいと強く感じたことがある
  • □ 自分が決めていた時間や量を守れずに飲酒したことがある
  • □ お酒を減らすorやめると手の震え、発汗、不眠、不安になるなどの症状が出ることがある
  • □ 飲酒を続けた結果、酔っぱらうor高揚感を得るまでに必要なお酒の量が増えた
  • □ 飲酒のせいで予定していた仕事や付き合い、趣味を諦めることがあった
  • □ お酒の飲みすぎで身体や心の病気になり、お酒のせいと理解しているが、それでもやめられない

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更新:2026.08.14