栄養サポートチーム 栄養支援で医療の質の向上へ

徳島大学病院

栄養部

徳島県徳島市蔵本町

栄養管理の大切さ

「万病に効く薬はないが、栄養は万病に効く」といわれるように、栄養管理は医療の根本をなすものの一つです。栄養状態が悪くなると筋肉量が減少し、免疫能低下(感染症にかかりやすくなる)、創傷治癒遅延(傷が治りにくくなる)、臓器障害(肝臓、腎臓、心臓といった各種臓器が正常に働かなくなる)といった状態が引き起こされ、最終的には高度の低栄養状態だけで、ほかに何の疾患がなかったとしても死に至ります。

どんな高度先進医療を行ったとしても、栄養管理をおろそかにすれば、その効果は大幅に減少、または、なくなってしまう可能性が十分にあります。このような状況を避けるため、当院では栄養部(写真1)が中心となって多職種参加のチーム医療である「栄養サポートチーム(Nutrition Support Team/NST)」を運営しています。

写真
写真1 栄養部スタッフ

栄養サポートチーム(NST)とは?

NSTとは、医師、歯科医師、看護師、管理栄養士、薬剤師といったさまざまな職種が専門知識や技術を出し合い、個々の症例に応じた適切な栄養管理を行うチームで、「図1」のような概念となっています。当院NSTでは、入院患者さんの栄養状態の評価、必要エネルギー量・必要栄養素量、栄養補給方法などを検討し、最良の方法で栄養支援を行うことで、医療の質の向上をめざしています。

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図1 栄養サポートチーム(NST)の概念

NSTの実際

栄養管理はすべての疾患治療に共通する基本的医療の一つです。一般的に入院患者さんのうち、栄養不良の割合は約50%とされ、前述の通り免疫能低下、創傷治癒遅延、臓器障害といった状態を引き起こし、合併症の増加、死亡率の上昇、入院期間の延長といったことにつながるものと考えられます。

当院NSTでは①栄養障害の早期発見と栄養療法の早期開始②適正な投与エネルギー量・栄養素量の決定③適切な栄養投与方法の選択の提案④免疫栄養療法や周術期栄養療法といった質の高い栄養管理・栄養治療の実施⑤誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)、褥瘡(じょくそう)(床ずれ)、高血糖、電解質異常といった栄養管理にかかわる合併症の予防、早期発見、治療を行っています。

現在、週に3回NSTカンファレンス・回診を行っています(月・火・水曜に実施、曜日で実施病棟が異なるため、病棟単位では週1回、写真2)。NSTカンファレンス・回診には医師、看護師、管理栄養士、薬剤師が必ず出席し、各専門職の視点から対象の患者さんの現在の栄養上の問題点、解決策を検討します。カンファレンスの後、回診を行い、実際に検討内容に訂正がないかを確認します。

写真
写真2 NSTカンファレンス

その後、検討した内容を主治医に提案し、承認を得て栄養療法を実施し、モニタリング、再評価を行っていくことになります(図2)。栄養療法の効果が認められ、再評価の結果、栄養状態が改善し「NST介入必要なし」と判定されれば、NSTが介入する対象患者ではなくなり、再び管理栄養士や看護師が経過観察を行うことになります。

フローチャート
図2 栄養管理の流れ

一方で、改善が認められなければ、再度、カンファレンスで改善策を検討することになります。また、必要に応じてほかの医療チーム(口腔(こうくう)ケアチーム、褥瘡対策チーム、緩和ケアチームなど)との連携も行っていきます。

NST以外の活動

当部はNST以外にも入院患者さんへの食事提供、管理栄養士による栄養食事指導、各種栄養教室(糖尿病教室、生活習慣病教室、減塩教室等)といった栄養管理に関するさまざまな活動も行っています。

更新:2022.03.04