感染 院内の感染予防に取り組む

徳島大学病院

感染制御部

徳島県徳島市蔵本町

感染制御部の役割

院内感染対策への関心は非常に高く、国からもその充実が求められています。当院は日本感染症学会認定研修施設として、医師の育成、第一種・第二種感染症指定医療機関、エイズ中核拠点病院など、さまざまな役割を担っており、感染症の対応や、院内感染対策のさらなる質の向上に向け取り組んでいます。

感染対策は、医療者にとっても患者さんにとっても重要なものであり、医療機関にかかわるすべての人が行わなければうまくいきません。平常時の教育・啓発活動、現場の業務改善が重要となります。院内で起こっている異常を早期に感知し、対応するために監視・報告体制を充実、強化し、臨床現場のラウンド(回診)を日常的に行っています。

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写真1 医療スタッフへの感染対策講習

当部には、感染症専門医・感染管理認定看護師という感染症治療や感染対策を専門とする職員をはじめ、薬剤師や検査技師などいろいろな職種のメンバーが所属し、それぞれの専門性を活用してこれらの活動を進めています。近年、問題になっている薬剤耐性菌への対応として、抗菌薬ラウンド・カンファレンスを行い、院内の適正な抗菌薬使用を推進しています。

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写真2 感染カンファレンス

さらに、地域レベルでの感染対策の充実を図るため、地域の医療機関と連携し、合同カンファレンスの開催や相談を行い、県下の医療機関とともに広く感染対策に関する感染地域ネットワークを構築し、感染防止に向けた支援も行っています。加えて、感染管理院内認定コースを外部の医療従事者を対象に開講しており、学生や研修医にも実習や講義を行い感染スキル・教育に努めています。また、県下の病院連携機関と協力して感染専門医療従事者養成プログラムを提供し、感染症・感染対策の基盤強化を行うとともに、現場の感染対策を担う人材養成をめざしています。

また当院は、第1種感染症指定医療機関であり、2014(平成26)年には西アフリカのエボラ大流行に備え、院内での訓練、また実際に診療に携わった外部講師を招き、当院の受け入れ体制についての指導や、詳細な現地の情報提供を行っていただきました(写真3、4)。

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写真3 エボラ出血熱対応シミュレーション
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写真4 ~西アフリカの最前線から~講演会

国際交流事業としてはインドネシアを拠点に感染制御チームで、国際的人材養成に貢献しています。近年、薬剤耐性菌問題が取り上げられ、WHOは、「ポスト抗菌薬時代の到来が懸念される」と警鐘を鳴らしました。また、さまざまな新興・再興感染症も問題となっており、グローバル感覚は感染症・感染対策には必須の時代です。感染症の国際問題に対応できる能力・スキルを向上させる機会も提供していきたいと思っています。

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写真5 国際交流(大学間協定校メンバー、安井病院長と)

当部はこれからも、院内の感染予防と職員の健康管理を行い、患者さんに安心、安全な医療を提供することを目標に日々活動していきます。

更新:2022.03.04