統合失調症の治療薬:クロザピン治療について
精神科

クロザピンは、治療抵抗性統合失調症に対して有効性が確認された薬です。今までのお薬の効果が不十分な場合、治療を諦める前に試す価値があります。
クロザピンの効果について
クロザピン(商品名:クロザリル)は、「治療抵抗性統合失調症」に対する薬です。統合失調症の症状が、他のいろいろな薬を使ってもうまく改善しない時に、「治療抵抗性統合失調症」と診断します。具体的には、2種類以上の統合失調症の薬を十分な量飲んでも効かなかったときや、副作用のせいで薬が十分に飲めなかった場合に、この薬を検討します。効果の程度はさまざまですが、「治療抵抗性統合失調症」の患者さんの6割で、症状が改善すると言われています。当院でも、今まで150人程度の方に飲んでいただき、効果の程度は一人一人で異なりますが、入院生活が過ごしやすくなった方や、長期の入院から退院できた方や、中には社会復帰ができた方など、さまざまな効果が認められています。
クロザピンの副作用について
クロザピンは、他の統合失調症の薬よりも、重い副作用が出やすい薬です。その一つが「顆粒球減少」です。顆粒球とは、血液の中にある白血球の仲間で、体に入ってくる細菌を退治する役目を持っていますが、クロザピンを飲んだ人の100人に1人の頻度で、「顆粒球(かりゅうきゅう)減少」が起こります。発見が遅れると、肺炎や胃腸炎などの細菌感染がなかなか治らず、命に関わることがあります。もう一つは「糖尿病になりやすくなる」ことです。クロザピンを飲んだ人の10人に1人の頻度で「糖尿病」や「糖尿病」の傾向が出現します。発見が遅れると、喉がとても乾いたり、体が怠かったり、昏睡状態になって倒れてしまったりすることがあります。その他にも、肝臓や心臓に副作用が出ることがあります。
有効な薬を一人でも多くの患者さんに飲んでいただくために、副作用の早期発見が重要なため、クロザピンを始めるときは、入院して体温、血圧や脈拍の異常がないかを確認したり、週に最低1回の血液検査を行ったりすることが義務付けられています。また、クロザピンを飲む間は、最低4週間に1回の血液検査が義務付けられています。
当院でも、重い副作用の早期発見に努め、副作用を発見した場合には、適宜佐賀大学病院と連携して治療し、今までクロザピンの副作用で命に関わった事例はなく、安全に薬を処方することができています。

更新:2026.08.14
