ちょうじゅうせきしょう

腸重積症

腸重積症

概要

腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)とは、腸の一部が、その先の腸の中に入り込んでしまう(重なってしまう)ことによって腸が閉塞(詰まる)状態となる病気です。

腸重積症は子どもに多く見られる病気ですが、大人でも起こります。

図
図:腸重積症

腸重積症の原因

腸重積症の多くは、はっきりとした原因がわかっていません。ウイルス感染などで腸が炎症を起こし、腸蠕動(ちょうぜんどう)(腸の働き)の異常が起きた時に起こる可能性があると考えられています。

腸の中に腫瘍(*1)(しゅよう)ができ、それが引き金になって腸が重なり合うことが原因になる場合もあります。腫瘍が腸の壁を変形させたり、腸全体の働きを乱したりすることで、重積が起こります。

※1:細胞が異常に増えてかたまりになったもの

腸重積症の症状

主な症状として、以下のようなものが挙げられます。

1.激しい腹痛
子どもでは急に大声で泣き出し、痛みがあるときと落ち着いているときを経験します。周期的に激しい腹痛が起こるため、突然激しく泣き叫び、その後ケロッとしたり、ぐったりしたりを繰り返すのが特徴です。痛みは、最初は通常15分から20分おきに現れたり消えたりします。痛みによって顔をしかめたり、お腹を抱えたりします。
2.嘔吐や吐き気
3.血便
便の中に血が混ざることがあります。ゼリー状の赤い便が出ることも特徴の一つです。
4.お腹のしこり
お腹を触れると、ソーセージのようなかたまりを触れる場合があります。

子どもは自分で症状をうまく説明できないことが多いため、保護者が泣き方や顔の色の変化、お腹の様子などをよく観察することが大切です。

腸重積症の検査・診断

腸重積症が疑われる場合、医療機関では主に次のような検査が行われます。

1.身体観察(しんたいかんさつ)
医師がお腹を触って、しこりの有無や痛みのある場所などを確認します。
2.超音波検査(*2)(ちょうおんぱけんさ:エコー検査)
お腹にゼリーを塗り、超音波機械を当てて腸の様子を画像で確認します。腸重積が起こっている場合ドーナツのような輪状の像が写ることがあります。
3.X線検査(*3)(レントゲン検査)
腸内に空気や液体がどのようにたまっているのか確認します。重積があると、通常とは異なるガス(空気)の分布が見られます。
4.CT検査(*4)
腸重積が起きている箇所を観察します。腫瘍などの病気に伴うものかどうかを確認します。

※2:体の内部を画像として映し出す検査
※3:X線という放射線を使って体の内部を画像化する検査
※4:X線を使って体の断面を撮影する検査

腸重積症の治療

腸重積症の治療は、症状の程度や原因によって異なります。

1.整復(せいふく)
腸が広がっている部分を元に戻す方法です。子どもの場合、空気または水を肛門(こうもん)から入れて腸を広げる「非観血的整復(ひかんけつてきせいふく)」がよく行われます。成功すれば手術をしなくても治ることが多いです。非観血的整復は発症後12時間以内であれば行うことができます。
2.手術
非観血的整復でうまくいかない場合や、腸に穴があいたり腫瘍が原因になったりしている場合は、外科手術(げかしゅじゅつ)が必要です。重なっている部分を丁寧に剥がし、腸の状態の悪い部分があれば切除することがあります。
3.サポート治療
脱水症状を防ぐために点滴で水分や栄養を補ったり、吐き気がひどい場合は吐き気止めの薬を使ったりします。

腸重積症の合併症

腸重積症は、腸の患部への血液供給を遮り、止める可能性があります。治療せずに放置すると、血液不足により腸壁の組織が壊死死滅します。組織壊死により、腸壁が裂けることがあり、これを穿孔(せんこう)と呼びます。これにより、腹腔(ふくくう)の内膜の感染症、つまり腹膜炎を引き起こす可能性があります。

腹膜炎は生命を脅かす病気であり、すぐに医師の診察を受ける必要があります。腹膜炎の症状には次のようなものがあります。

  • 腹痛
  • 腹部の腫れ
  • 発熱
  • 嘔吐

腹膜炎により、子どもはショック状態に陥る可能性があります。ショックの症状には次のようなものがあります。

  • 冷たく湿った肌。青白く灰色がかった肌
  • 弱く速い脈
  • 呼吸はゆっくりで浅い場合もあれば、非常に速い場合もあります
  • 不安または興奮
  • 極度の無気力

ショック状態の子どもは意識がある場合も、意識がない場合もあります。子供がショック状態にあると思われる場合は、すぐに救急医療を受けてください。

更新:2026.05.13