ぼうこうにょうかんぎゃくりゅうしょう

膀胱尿管逆流症

概要

膀胱尿管逆流症とは、泌尿器科疾患の中の尿路系の疾患のひとつで、多くの原因が生まれながらの先天性疾患です。

腎臓で作られた尿は、腎盂(じんう)(腎臓と尿管の接続部分)・尿管を通って膀胱に溜まりますが、膀胱尿管逆流症では、その尿が腹圧時や排尿時に、再び尿管、腎盂・腎臓に逆流してしまいます。これは、膀胱と尿管の吻合部(ふんごうぶ)(つなぎ目)の逆流防止機能が未熟なために起こります。多くは、新生児期や幼児期の尿路感染をきっかけに発見され診断されます。

治療

膀胱尿管逆流症は、尿の逆流によって腎臓の機能が低下し、逆流性腎症を引き起こす問題があります。膀胱尿管逆流症によって尿路感染を短期間に何度も起こしたり、腎機能が低下している場合は、膀胱と尿管の吻合部に対して、逆流を防止する新吻合術を行います。手術によって逆流を止められる確率は95%以上ですが、既に逆流性腎症に進んでしまっている場合は、尿が逆流しなくなった後も、逆流性腎症が進行する場合があり、二次成長が終了するまで長期にわたり経過観察が必要です。女児では妊娠出産期にリスクを抱える場合もあります。

また、症状がなく、逆流や腎障害の程度が軽い場合は、自然治癒する可能性もあり、しばらく経過をみることもあります。

更新:2022.08.15