尖圭コンジローマ
基礎情報
概要
尖圭(せんけい)コンジローマは、主に性的な接触によってうつる性感染症の一つです。原因となるのはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスで、男性器や女性器や肛門まわりに小さないぼのような突起ができるのが特徴です。かゆみや痛みをともなう場合もありますが、症状が軽いと自分では気づきにくいこともあります。
HPVは子宮頸(しきゅうけい)がんの原因の一つとしても知られており、男女ともに関心をもって予防や早期治療に取り組むことが大切です。
尖圭コンジローマの原因
尖圭コンジローマの主な原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)です。HPVには100種類以上の型があり、そのうち性器に感染しやすい型は30~40種類ほどあるとされています。尖圭コンジローマを引き起こしやすいHPVの型は子宮頸がんを引き起こす型とは異なる場合が多いですが、同じウイルスのグループであることに変わりありません。
主な感染経路は性行為ですが、ウイルスは皮膚や粘膜の微細な傷から入り込みます。コンドームを使っていても、感染部分がコンドームで覆われていない皮膚に触れるなどしてうつる可能性があります。異変があれば早めに専門医(泌尿器科、産婦人科、皮膚科など)を受診することが大切です。
尖圭コンジローマの症状
- 1.いぼの出現
- 自性器や肛門まわりに、小さなぶつぶつが出てきます。表面がカリフラワーのように見えることもあります。色は肌色に近かったり、薄いピンク色をしていることが多いです。
- 2.かゆみや軽い出血
- いぼがこすれることでかゆみや違和感を起こしたり、衣服との摩擦で出血したりすることがあります。
- 3.痛み
- 大きくなると、下着が当たって痛む場合があります。小さいうちは自覚症状がないことも少なくありません。
これらのいぼは、放っておくと数が増えたり、大きくなったりすることがあります。ただし、早期のうちは無症状である場合も多いため、気づかずに感染を広げてしまうおそれがあります。

尖圭コンジローマの検査・診断
- 1.視診
- 医師が性器や肛門まわりを直接見て確認します。典型的ないぼがあれば、視診だけでかなりの確度で尖圭コンジローマと診断できます。
- 2.病理検査
- いぼの一部を切り取って顕微鏡で調べ、HPV感染による変化が起きているかを確認することがあります。
- 3.HPV検査
- 子宮頸がん検診の一環として実施される場合があります。女性の場合、子宮頸部(しきゅうけいぶ)の細胞を採取してウイルスの有無を調べることが多いです。尖圭コンジローマの有無と直接の関係はない場合もありますが、がんを引き起こすリスクが高い型のHPVがあるかどうかが分かります。
尖圭コンジローマの治療
尖圭コンジローマの治療では、いぼそのものを取り除く方法と、再発をできるだけ防ぐためのウイルス対策が中心となります。ただし、HPVを完全に排除するのは難しく、治療後も再発が起こる可能性があります。主な治療法は以下のとおりです。
- 1.外用薬(塗り薬)
- いぼに直接塗るクリームや軟膏などが使われます。医師が処方する薬を一定期間塗ることで、いぼを小さくしたり、取り除いたりする効果が期待できます。
- 2.凍結療法
- 液体窒素などでいぼを凍結させ、組織を破壊する方法です。複数回の治療が必要な場合もありますが、比較的よく行われる治療の一つです。
- 3.切除手術
- いぼをメスなどで切り取る手術を行う場合があります。局所麻酔で痛みを抑えるため、日帰りで行うことも多いです。いぼが大きい場合や、他の治療が効きにくい場合に選択されます。
- 4.レーザー治療
- レーザーを照射していぼを焼く方法です。切除手術と同様、局所麻酔で対応できることが多いですが、部位や大きさによっては入院が必要なケースもあります。
目に見えるいぼを取り除いても、周囲の皮膚にウイルスが潜んでいることが多いため、治療後3ヶ月以内は約25%〜30%の確率で再発すると言われています。一度で治そうと焦らず、数ヶ月間は定期的に通院し、しっかりと治療を受けることが大切です。
尖圭コンジローマの合併症
尖圭コンジローマ自体が直接がんにつながる可能性は低いとされていますが、HPVの中には子宮頸がん、肛門がん、陰茎がんなどを引き起こすハイリスク型のウイルスも存在します。複数の型に同時に感染することもあり得るため、尖圭コンジローマが見つかった場合は、他の型による感染リスクにも注意が必要です。
尖圭コンジローマの予防
- 1..HPVワクチン
- HPVワクチン(ヒトパピローマウイルスワクチン)は、特にがんを起こすリスクが高い型に対して感染を防ぐ効果が期待されます。日本では定期接種の対象となる年齢の女子を中心に接種がすすめられていますが、男性への接種や年齢を過ぎてからの任意接種も可能です。ワクチンは、尖圭コンジローマを起こす型を含む複数の型に有効なものもあります。
- 2.コンドームの使用
- 性行為の際、コンドームを正しく使用することで感染リスクを大きく下げることができます。ただし、皮膚が直接触れる部分を完全に覆うことはできないため、予防効果は100パーセントではありません。
- 3.定期検診
- 女性の場合は子宮頸がん検診の受診が勧められます。HPV感染の早期発見や、子宮頸がんの前段階となる病変が見つかる可能性もあります。
更新:2026.09.25
