皮膚リンパ腫
基礎情報
概要
皮膚リンパ腫は、主に皮膚にあらわれるタイプのリンパ腫(血液のがん)です。
リンパ腫は、本来、ウイルスなどから体を守るために皮膚に集まっている「リンパ球」ががん化してしまう病気で、皮膚リンパ腫はそのうち皮膚に発症するものを指します。皮膚にできるがんの中では珍しいものですが、数年から数十年かけてゆっくりと進行するタイプが多いのが特徴で、早期に発見できれば長く付き合っていくことが可能です。
皮膚リンパ腫には、T細胞(Tリンパ球)からできる「皮膚T細胞リンパ腫(T細胞型)」と、B細胞(Bリンパ球)からできる「皮膚B細胞リンパ腫(B細胞型)」の2つがあります。T細胞型の方が多く、日本では皮膚にできる悪性リンパ腫の約80%を占めます。

皮膚リンパ腫の原因
皮膚リンパ腫のはっきりとした原因はまだわかっていません。
ただし、免疫(病気から体を守る仕組み)に関係する病気や、特定のウイルス感染が関わっている可能性があります。
また、HIVやHTLV-1(成人T細胞白血病ウイルス)といったウイルスに感染している人は、皮膚リンパ腫を発症するリスクが高くなるとされています。
皮膚リンパ腫の症状
皮膚リンパ腫の症状はさまざまですが、主に以下のような変化が皮膚に現れます。
- 赤みのある発疹やしこり
- 皮膚がかさかさになる
- かゆみが続く
- ごつごつとした腫れができる
- 一部のタイプでは皮膚が厚くなってひび割れることもある
はじめは湿疹やかぶれに似た症状から始まり、徐々に広がって目立つようになることがあります。
初期は、一般的な湿疹やアトピー性皮膚炎、水虫などと区別がつきにくいことが多々あります。しかし、塗り薬を数ヶ月使い続けても全く良くならない、少しずつ盛り上がってきた、色が濃くなってきたといった場合は、単なる湿疹ではなく皮膚リンパ腫の可能性を考えるサインとなります。
T細胞型では「菌状息肉症(きんじょうそくにくしょう)」というタイプが多く、ゆっくり進行します。B細胞型では、しこりが急に現れることがあり、見た目の変化が目立ちます。

皮膚リンパ腫の検査・診断
皮膚リンパ腫が疑われる場合は、以下のような検査を行います。
- 視診・問診:皮膚の状態を目で見て確認し、症状の経過を聞きます。
- 皮膚生検:皮膚の一部を切り取り、顕微鏡でがん細胞の有無を調べます。見た目からだけでは診断は難しく、この検査が診断や治療に最も大切な検査になります。
- 血液検査:リンパ球の数や種類を調べます。
- 画像検査:がんが他の部分に広がっていないかをCTやPETなどで調べます。
- 骨髄検査:がん細胞が骨髄に入り込んでいないか調べることもあります。
早い段階で正確に診断するためには、皮膚科と血液内科が協力して診ることが大切です。
皮膚リンパ腫の治療
皮膚リンパ腫の治療は、がんの種類や進行の程度、患者の体の状態によって変わります。
- 主な治療法
- 外用薬:皮膚にぬるステロイド剤や抗がん剤など。初期の段階で使われます。
- 光線療法:紫外線を使ってがん細胞を減らします。皮膚の表面のがん細胞に対する治療法で、全身への副作用を抑えつつ高い効果が期待できる、皮膚リンパ腫特有の治療法です。
- 放射線治療:がんの部分に放射線を当てて治療します。
- 内服薬・注射薬:インターフェロン(免疫を助ける薬)や抗がん剤を使います。
- 化学療法:がん細胞を全身的にたたく強い薬を組み合わせて使う方法。病気が進行しているときに行います。
- 幹細胞移植:一部の重いケースで検討される治療法です。
病気の進行がゆるやかなタイプでは、すぐに強い治療を行わず、様子を見ながら治療を進めることもあります。
更新:2026.09.26
