インプラント・虫歯
基礎情報
歯を失った時のリスク
虫歯や歯周病を悪化させ、歯が抜かなければならなかったり、事故やスポーツ等で歯を失うことがあります。歯が抜けたままにしておくと、隣の歯が倒れてきたり、噛(か)み合う対の歯が伸びて、歯並びや噛み合わせが崩れてきます(図1)。噛み合わせが悪くなると、肩こりや頭痛、顎が痛くなったりと、さまざまな健康上の問題を引き起こすことがあります。
歯を失った時の治療
歯を失った場合、補綴(ほてつ)歯科治療という、失くした歯の形と機能を回復させる治療が必要になります。具体的な治療方法としては、ブリッジや入れ歯、インプラントなどがあります。
ブリッジ
失くした歯の両隣の歯を削って、連結した歯冠(しかん)(口腔(こうくう)でみえる歯の部分)を被せる方法です。片方の支台となる歯がない場合、この治療はできません。元の歯並びに近い状態になりますが、両隣の健康な歯を傷めることになります。
入れ歯
部分入れ歯と総入れ歯があり、取り外しができる人口の歯です。顎(あご)にきちんと合っていないと痛みが出やすく、噛む力は元々の歯より弱くなります。
インプラント
人工歯根(インプラント体)を歯が抜けた部位の顎の骨に埋め込み、歯冠を取り付ける治療方法です。ほかの健康な歯に負担がかからず、噛み心地や見た目も歯が抜ける前に近い自然な状態になります。
インプラント治療は手術が必要になるため、事前に、埋め込む部位に相応の骨の量を調べたり、顎の骨の形を調べるためのX線検査やCT検査を行います。また、一般の手術と同様に血液検査も行います。インプラントの手術は、基本的に2回行います。1回目は、歯肉を切開し、顎の骨に穴を開けてインプラント体を埋め込む手術です(図2)。
インプラント体は、体内に入れますので、体内に取り入れてもアレルギーを起こしにくいチタンが使用されます。2回目は、インプラント体のねじ穴に支台(アバットメント)を連結し、歯冠(上部構造)を取り付ける手術で、1回目の手術の2~4か月間に行います(図3、4)。
インプラントは元々の歯と噛む感覚が異なるので、まずはプラスチック製の仮歯を装着して数か月ほど慣らした後で、しっかりとした耐久性のある陶材製や金属製の歯冠を作り、装着しなおします。
更新:2022.08.22