だいちょうぽりーぷ

大腸ポリープ

基礎情報

概要

大腸ポリープは、大腸内の内側の粘膜に発生するイボ状のものです。大腸は食べ物の水分を吸収し、便を作る大切な器官であり、主に結腸(けっちょう)と直腸(ちょくちょう)に分かれます。大腸ポリープは小さいうちは自覚症状がほとんどありませんが、中にはがんに変化するものもあります。

日本では、がんの中でも大腸がんは患者数・死亡者数ともに上位に位置し、重要な健康問題となっています。大腸がんは男女合わせたがん死亡原因の上位の一つです。

大腸がんの多くは、良性の「腺腫」というポリープが時間をかけてがん化することで発生します。そのため、がんになる前のポリープを内視鏡で切除することは、将来の大腸がんを未然に防ぐとても大切な予防法と言えます。

大腸ポリープの原因

大腸ポリープが生じる原因はさまざまですが、大きく分けると「腺腫性(せんしゅせい)ポリープ」と「過形成性(かけいせいせい)ポリープ」などの種類があります。特に腺腫性ポリープはがん化しやすいと言われています。

1.生活習慣・食事
脂肪や肉類を多く取り、食物繊維をあまり取らない食生活は、大腸ポリープのリスクを高めるといわれています。
飲酒や喫煙もリスク要因とされています。
2.年齢
一般的に、年齢が高くなるほど大腸ポリープや大腸がんが発見される確率が上がります。
3.遺伝的要因
家族の中に大腸ポリープや大腸がんになった人がいる場合、そうでない人と比べて発症する確率が高まると報告されています。遺伝性の症候群として「家族性大腸腺腫症(かぞくせいだいちょうせんしゅしょう)」などが知られています。
4.炎症性腸疾患
潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)やクローン病(*1)などの慢性的な腸の病気があると、大腸ポリープやがんのリスクが高まります。

※1:腸の一部がただれたり狭くなったりする病気

大腸ポリープの症状

大腸ポリープは小さいうちは自覚症状がないことが多いです。しかし、ポリープが大きくなったり、数が増えたりすると、以下のような症状が現れる場合があります。

1.血便(けつべん)
ポリープ表面が傷ついたり、がん化して出血したりすることで血便が出ることがあります。
2.便通異常
便秘や下痢が長期間続く場合、何らかの大腸のトラブルが関係している可能性があります。
3.腹痛やお腹の不快感
ポリープが大きくなって腸の動きを邪魔し始めると、腹痛やおなかに違和感を覚えることがあります。

なお、症状がまったくないまま進行するケースもあるため、定期的な検査がとても大切です。

大腸ポリープの検査・診断

大腸ポリープの有無を調べるためには、次のような検査が行われます。

1.便潜血検査(べんせんけつけんさ)
便の中に目に見えないほどの少量の血液が混ざっていないかを調べる検査です。集団検診や人間ドックでもよく実施されます。これで陽性反応が出た場合は、より詳しい検査が必要になります。
2.大腸内視鏡検査(だいちょうないしきょうけんさ)
カメラ付きの細い管を肛門(こうもん)から挿入し、大腸の内部を直接観察する検査です。また、病変を見つけるだけでなく、その場で拡大観察を行い、がんの疑いがあるか、切除が必要なポリープかどうかの診断もできます。異常な部分が見つかった場合にはその場で組織を一部採取する「生検(せいけん)」や、小さなポリープであれば切除することができます。40歳を過ぎたら、一度はこの「精密検査」を受けることが推奨されます。
3.CTコロノグラフィー
X線を使った画像検査で、大腸内部を3次元的に映し出します。内視鏡を挿入しないため、体への負担が比較的少ないですが、ポリープが見つかった場合は結局内視鏡検査で切除や生検を行う必要があることもあります。

大腸ポリープの治療

大腸ポリープの治療は、その大きさや種類、数によって異なりますが、基本的には内視鏡を使った切除が中心です。

腺腫性ポリープは放っておくとがん化する可能性がある「前がん病変」です。5mm以上のものは切除が推奨されます。

過形成性ポリープ:直腸などに多く見られ、基本的にはがん化しにくい良性のイボですが、最近では右側の大腸にある大きな過形成性ポリープは注意が必要であることが分かってきています。

1.内視鏡的ポリープ切除
大腸内視鏡検査を行いながら、スネアと呼ばれる金属の輪などを使ってポリープを切り取ります。小さなポリープやがん化のリスクが低いものなら、この方法だけで十分な場合が多いです。
内視鏡でポリープを切除した後は、傷口からの出血を防ぐため、数日間は激しい運動、飲酒、長い入浴を控える必要があります。また、数週間は遠方への旅行や出張も避けるのが一般的です。
2.外科的手術
ポリープが大きい場合や、がんがすでに広がっている疑いがある場合は、外科的に腸の一部を切除する手術を行います。切除する範囲や方法は、がんの進行度や位置によって異なります。
3.経過観察
ごく小さい過形成性ポリープや、リスクが低いと考えられる場合には、すぐに切除せず、定期的に内視鏡検査で大きさや状態を観察することがあります。
図
図:大腸ポリープ

大腸ポリープの合併症

大腸ポリープそのものは、必ずしも問題を引き起こすわけではありませんが、以下の点に注意が必要です。

がんになるリスク
特に腺腫性ポリープは、放置すると一部ががん化する可能性があります。大腸がんは進行すると治療が難しくなるため、ポリープの段階で除去することが望ましいです。
ポリープの出血
ポリープが大きくなると、表面から出血することがあり、貧血につながることがあります。

大腸ポリープの予防

大腸ポリープを完全に防ぐ方法はありませんが、以下の生活習慣を意識することでリスクを減らせる可能性があります。

1.バランスの良い食事
野菜や果物、食物繊維を多く取り入れ、脂肪や赤身肉(特に加工肉など)を取りすぎないようにすることが大切です。
2.適度な運動
ウオーキングなどの有酸素運動を習慣化することで、肥満や便秘を予防し、大腸への負担を減らします。
3.禁煙・節酒
喫煙や過度な飲酒は、大腸ポリープや大腸がんのリスクを高めるといわれています。
4.定期検査の受診
症状がなくても、一定の年齢になったら便潜血検査や大腸内視鏡検査を受けることが推奨されます。早期にポリープを見つけられれば、がん化する前に除去できる可能性が高まります。

更新:2026.09.25