感染症を広げない~感染制御チームって何をしているの?

感染制御室

私たち人間は、多くの細菌やウイルスなどの微生物と共生しています。細菌やウイルスなどの「病原体」が体内に入り込んで悪さをする病気のことを感染症といいます。病原体は目に見えません。そのため、ヒトからヒトへ直接、医療機器や環境を介して病原体が広がる場合があります。特に抗がん剤などの治療を受けて抵抗力が下がった患者さんは、健康な人であれば感染しないような病原体に感染し、重症になる可能性があります。そのため、職員が個々に感染対策を行うのではなく、病院全体として感染対策に取り組むことが重要です。

感染制御チームを中心に、全職員で院内感染対策に取り組んでいます

感染制御チームは、医師・看護師・薬剤師・微生物検査技師・事務職など、感染症や感染対策の専門的な知識をもった職種が協力して、院内感染を防ぐための取り組みを行っているチームです。感染対策を通じた、良質で安全な医療・ケアの提供による診療の質向上をめざし、患者さんや家族、職員など病院にかかわるすべての人々を感染症から守るため、病院内のさまざまな部署と連携し、活動しています。

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図 感染対策部門を構成する職種

感染症診療や感染対策のための環境づくり

病院では、抗菌薬が効きにくい「薬剤耐性菌」や、インフルエンザや新型コロナウイルス、結核や麻しん(はしか)など、伝播しやすい病原体が、病院の中で広がらないよう、常に注意を払っています。

感染制御チームは、毎日、院内全体の病原体の検出状況や感染症患者さんの状況など、さまざまな情報を早期にキャッチ、分析・評価して、治療や感染対策の指導・助言・相談などを行います。また、定期的に院内を巡視し、病院環境や手指衛生などの感染対策の状況の確認、必要に応じ、改善の提案や教育を行っています。患者さんごとに手袋やガウンを使い分けたり、手洗いや病院環境の整備を行ったりすることで、細菌やウイルスが、病院の中で広がらないよう努めています。

感染発生時の迅速な対応

万が一、院内で感染が起きた場合は、すぐに感染制御チームが中心となって対応を始めます。 感染の広がりを防ぐために、患者さんの病室を専有化したり、医療スタッフのマスクやガウン、手袋などの防護具を強化したりします。 状況に応じて、面会の制限などをお願いすることもあります。院内感染の広がりを防ぐ対策のため、皆さまのご協力をお願いいたします。

職員への教育と健康管理

マスクや手袋・ガウンなど、個人防護具は選び方・使い方に「コツ」があります。感染制御チームは、感染症の知識や防護具の選択・使い方について、職員の研修を定期的に行っています。

病院で働く職員が健康でいることも、院内の感染を防ぐためとても大切です。 職員は毎日体調を確認し、発熱や体調不良などがある場合、勤務を控えるようにしています。 また、職員と患者さんの間で感染が広がらないために、予防接種や定期的な検査も行い、健康管理に努めています。さらに、針刺しをはじめとする職業に関連する感染の防止対策や曝露後の対応などを実施しています。

感染対策教育を通じた社会貢献

耐性菌やインフルエンザや新型コロナウイルス、結核や麻しん(はしか)など、伝播しやすい病原体には、病院の中だけでなく、広く社会の中で情報を共有し、対策を立て、実行していくことが大切です。

私たち、日本医科大学付属病院 感染制御チームは、地域の医療機関の医療スタッフや、幼稚園、大学など若い世代の人びとへの感染対策教育を行っています

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感染制御チームの役割

暮らしの中の感染対策~いま、私たちが出来ること

皆さんの暮らしの中でも感染対策を行うことが出来ます。たとえば、病原体に触れた手でさまざまな場所にそのまま触れると、その場所が汚染され、病原体が広がる原因になります。さまざまな病原体を運んでいる「手指」を衛生的に保つことはとても大切です。咳(せき)やくしゃみがあるときには、マスクなどを用いて鼻や口を覆い、周囲に飛び散るのを防ぎましょう(咳(せき)エチケット)。手洗いや咳(せき)エチケットは、病院の中だけでなく、毎日の暮らしの中で行える大事な感染対策です。ひとりひとりの行動が、まわりの人を守ることにつながります。

更新:2026.05.12