大事に使おう抗菌薬~抗菌薬適正使用支援チームって何をしているの?
感染制御室

抗菌薬は、細菌による感染症を治すために使われる大切なお薬です。でも、使い方を間違えると、薬が効かない「耐性菌」が増えてしまうことがあります。 当院では「抗菌薬適正使用支援チーム」が中心となって、抗菌薬を大事に使うための「必要なときに、必要な分だけ賢く使う」取り組みを行っています。
抗菌薬適正使用支援チームを中心に、全職員で耐性菌を生まない・広げない活動に取り組んでいます
抗菌薬適正使用支援チームは、薬剤師・微生物検査技師・医師・看護師、事務職など、感染症や抗菌薬・抗微生物薬に関する専門的な知識をもった職種が協力して、耐性菌を生まない・広げない活動への取り組みを行っているチームです。患者さん一人ひとりに合った抗菌薬の使い方を考え、治療の効果を高めながら、薬剤耐性菌を生まない・広げないことを目指しています。

抗菌薬ってなに?
抗菌薬は、細菌による感染症を治すためのお薬です。 たとえば、肺炎や膀胱炎(ぼうこうえん)、扁桃炎(へんとうえん)などの病気の原因となる「細菌」をやっつけたり、増えるのを防いだりします。抗菌薬は細菌の構造や増えていく仕組みのどこかを邪魔して効果を発揮します。抗菌薬は細菌の「仕組み」を利用した薬のため、ウイルスやカビなど細菌以外の病原体が原因となる感染症には効果が期待できません。
薬剤耐性菌ってなに?
抗菌薬の使用により、薬が効かなくなる細菌が生まれてしまうことがあります。このような細菌を「薬剤耐性菌」といいます。薬剤耐性菌は、人から人へ、また、人から環境へと拡がっていきます。近年、世界中の国で薬剤耐性菌が増え、問題となっています。また、病院の中だけなく、病院の外で広がるタイプの薬剤耐性菌による感染症も増加しています。
抗菌薬適正使用支援チームの役割
- 抗菌薬が賢く使われているかどうか、使い方を確認しています。医師が処方した抗菌薬が、患者さんの症状や検査結果に合っているかを確認します。
- 賢く抗菌薬を使うためには、必要な検査を行い、どんな病原体が原因となっているかを知ることが重要です。必要な検査を提案、より効果的な治療につなげます。
- 抗菌薬の使いすぎを防ぐ取り組みを行っています。長く使いすぎたり、必要のない場面で使われないように、医師と相談して調整します。
- 職員に向けて、抗菌薬の正しい使い方や耐性菌についての教育・研修を行っています。

抗菌薬をやめない・渡さない・もらわない~必要な時に必要な分だけ賢く使う
薬剤耐性菌を生み出さないこと、広げないこと、使える抗菌薬を残しておくことは私たちの大切なミッションです。2012年以降、患者さんと医療者が対話を通じて「賢い医療の選択 Choosing Wisely」キャンペーンを、世界中で展開しています。
- 風邪(かぜ)などウイルスが原因の病気には抗菌薬は効きません。抗菌薬を使う前に必要な検査を受け、必要な時に抗菌薬を処方してもらいましょう。
- 抗菌薬は医師の指示どおりに使いましょう。症状がよくなっても、指示された日数まではきちんと飲み切ることが大切です。途中でやめてしまうと、体の中に残った細菌が強くなり、抗菌薬が効かなくなってしまいます。
- 自分に処方された抗菌薬を、他の人に渡さないでください。人によって必要な抗菌薬の種類や量は違います。自分に処方された薬を、家族や友人に「これ効いたから」と渡すのはとても危険です。
- 他の人から抗菌薬をもらって飲むのはやめましょう。医師の診察なしに薬を使うと、効果がないだけでなく、副作用や薬剤耐性菌を生み出す原因になります。
- 手洗いやマスク、予防接種で感染を防ぎましょう。感染症を未然に防ぐことが、抗菌薬の使用を減らすことにつながります。
大事に使おう抗菌薬~いま、私たちが出来ること
薬剤耐性菌を防ぐには、医療者だけでなく、患者さんひとりひとりの取り組みがとても大切です。 抗菌薬を「大事に使う」ことで、今だけでなく未来の命を守ることにつながります。
更新:2026.05.12
