初診:初診の流れとその内容

精神科

初診:初診の流れとその内容

精神科の初診では何を聴かれ、どのようなことをするのでしょう。準備しておくといいこと、意識しておくといいことを解説します。

精神科における初診時のおおまかな流れ

初診では以下のような流れがあることを念頭においておくとスムーズでしょう。初診は問診だけでも1~2時間程度かかることがありますので、時間に余裕をもっておくようにしましょう。一般的に保険診療ですので、原則自己負担3割で診察を受けることができます。診察内容によりますが、初診時の自己負担額の目安は2500円~5000円です。

・予診票に記入
スタッフが診察の前に予診票を渡しますので、必要事項(主な困りごと、これまでかかったことのある疾患など)を記入してもらいます。体温や血圧の測定を行う場合もあります。
・問診(予診、本診)
本診察の前に、予診として症状のあらましや背景情報を患者さん本人や同伴者から30分程度で聴かせてもらうことがあります。研修医や医師の指示のもとに業務を行う医療従事者(コメディカル)が担当することもあります。
・身体診察、検査
精神症状と身体的な問題は実は強い結びつきがあるため、全身状態の評価は必ず行います。初診時には、身体測定や身体診察のみ行い、状態によって再来時に追加検査を行うという場合が通常です。追加の検査として頻度が高いのが、血液検査、尿検査、心電図、胸腹部レントゲン、頭部CT・MRI、脳波検査です。
・心理検査
他の科よりも精神科で行われる機会の多い検査です。精神症状の理解を助け、支援計画を立てるためのもので、知能検査や認知機能検査、パーソナリティを評価するものなどさまざまな種類があります。
・今後の方針(治療、サポート)の決定
実際は問診をしながら、今後の方針を相談していくことが多いので最後にくるとも限らないのですが、ここでは便宜上最後に記載しています。また、よく誤解があるのですが、正しい「診断」があって正しい「治療」につながるという流れは精神科医療の場合はまれであって、基本的には有効そうな「判断」があって検査や治療を「継続・追加・修正」していくというのがより正確な流れです。ですから初診時点での診断は仮のものであることが多く、治療やサポートを一緒に試行錯誤していくことで徐々に病状や対処法が明らかになっていく、そう考えておくのがいいでしょう。
図
図1:精神科における初診時のおおまかな流れ

問診(予診、本診)で聞かれること

精神科の診察においては、問診が中心になることが一般的です。問診ではプライベートな内容を聴かれることもありますが、もちろん話すのは強制ではありません。しかし今後の治療、サポートに役立つことも多いため、話せる範囲で話そう、と考えておくのがいいでしょう。以下の項目を聴かれることがあるので、適宜あらかじめメモをしておくと整理にもなりますし、診察場面で医療者にそのまま見せることもできるのでお勧めです。また、書籍やインターネットで調べたり、周囲の人と話して気になったことがあれば、必ず聞くようにしましょう。

・主訴(何に困っているのか、医療機関に求めていること)
・生活歴(出生から発達、環境や変化への適応具合)
親の仕事、宗教/幼少期のエピソード、性格傾向、交友関係/学業成績、クラブ活動、高校・専門学校・大学/就職、職場での仕事ぶり・人間関係、転職/恋愛、結婚、出産、育児、離婚/自傷他害の既往、違法薬物使用歴
・現病歴(症状の出現時期とその後の治療歴)
発症年月日(○年○月頃、○歳時)、初回エピソード~今回エピソード/治療歴(治療反応性・治療参加)、治療薬の種類/睡眠、食欲、体重変化、月経との関連/気分・興味関心・言動や行動の変化
・家族歴(家族・親族の既往について)
遺伝的要素、心理社会的要素
・家族構成
同居者、生活スタイル/サポート体制
・身体疾患
糖尿病、高血圧、心疾患、その他の常用薬/アレルギーなど
・嗜好品(ストレスへの対処法として、あるいはそれ自体が精神症状に影響)
喫煙、飲酒、ゲーム、ギャンブル など

患者さんと医療者は治療という共同作業のパートナー

精神科を受診したからといって、その後の治療を一方的に強制されることはありません。患者さんと医療者は治療という共同作業を行うパートナーなのです。ですから疑問に思ったところをその都度質問し、治療の進め方について医師(医療者)と話し合いながら進めていくことが何より大切です。そのために初診時から図のような「三角形の構図」を意識しておくのが(精神科のみならず)医療機関を上手に活用するための秘訣です。

図
図2:患者さん(本人)と医療者は症状について一緒に話し合い、治療という共同作業を行う

更新:2026.08.14