肺炎は予防できますか?誤嚥性肺炎って、どんな病気?
呼吸器内科 耳鼻いんこう科 歯科口腔外科
肺炎の原因は何?
肺炎は細菌などが喉(のど)から気管を通って肺に感染し、炎症を起こす病気です。原因は肺炎球菌が最も多く、風邪やインフルエンザが引き金になります。免疫力の低下、慢性的な呼吸器の病気、糖尿病があると発症しやすくなります。
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)は、高齢者での飲み込む力の低下(嚥下障害(えんげしょうがい))が根本的な原因です。食事中に食べ物や飲み物が気管に入る場合は、むせや咳(せき)で分かることがありますが、睡眠中に気づかないうちに口の中の細菌を含む唾液・鼻汁・胃液が気管に流れ込むこと(不顕性誤嚥(ふけんせいごえん))が多いといわれています(図1)。
2019年の日本人の死因は、肺炎が第5位、誤嚥性肺炎が第6位で、超高齢社会により肺炎で亡くなる高齢者の方が増加しています。
肺炎の予防法はあるの?
日頃の手洗いやアルコール消毒による手指衛生(しゅしえいせい)・うがいはもちろん、規則正しい生活やタンパク質が豊富で栄養バランスがとれた食事により、免疫力の低下を防ぐことも大切です。また、たばこによって肺炎にかかりやすくなるので禁煙しましょう。
インフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの接種を受けることも重要です。肺炎球菌ワクチンは65歳以上の方、65歳未満でも心臓・腎臓(じんぞう)・呼吸器の機能に障害がある方は接種しましょう。
誤嚥性肺炎の予防には、食事の際の注意と口の中を清潔に保つこと(口腔(こうくう)ケア)が重要です(図2)。
新型コロナウイルス感染症(COVID(コビッド)-19)の流行時期に、発熱、咳、体のだるさ、息苦しさなどがある場合は、通常の肺炎との区別が難しいため、すぐに受診するのではなく、かかりつけ医または受診・相談センターに電話で相談してください。
更新:2023.08.27