ふあんしょうがい(ふあんしょう)

不安障害(不安症)

不安障害(不安症)

概要

不安障害(不安症)は、持続的な心配や緊張感などを特徴とする心の状態です。

不安は本来、危険から身を守るための「アラーム」のような役割を持っています。しかし不安障害は、このアラームが壊れてしまい、何でもない時にも大きな音で鳴り続けたり、止められなくなったりする状態です。決して「心が弱い」から起きるわけではありません。

日常生活の中で、誰でも不安を感じることはありますが、不安障害の人は、普通の心配の範囲を超えて強い不安にとらわれてしまうため、学校生活や家庭生活などに大きな影響が出ることがあります。

不安障害にはいくつかの種類があります。たとえば、パニック障害(*1)や社交不安障害(*2)などです。こうした症状によって、学校を休みがちになる、生徒会や部活動での発表ができなくなるなど、日常生活に支障をきたす場合があります。

※1:激しい不安や恐怖が突然起こる状態
※2:人前での行動や会話に強い恐怖を感じる状態

図
図:不安障害(不安症)

不安障害(不安症)の原因

不安障害の原因には、複数の要因が関わると考えられています。代表的なものとしては、以下のようなものがあります。

  1. 脳内物質のバランス異常(神経伝達物質の量が適切でない状態)
  2. 遺伝的な影響
  3. 環境要因(家庭や学校での強いストレスなど)
  4. 心理的要因(過去のトラウマ体験や性格特性など)

脳の中では、感情をコントロールする物質(セロトニンなど)が情報のやり取りをしています。不安障害ではこの物質の受け渡しがうまくいかず、脳が「不安」の信号ばかりを過剰に受け取ってしまうことで、緊張状態が続いてしまうと考えられています。

それだけではなく、上記の要因が複雑に関わり合い、脳が不安をコントロールしづらくなると考えられています。また、学校や職場でのいじめやプレッシャー、人間関係の悩みなども大きく影響することがあります。

不安障害(不安症)の症状

不安障害の代表的な症状は、以下のように多岐にわたります。

  • 過度の心配
  • 落ち着きのなさ
  • イライラ感
  • 集中力の低下
  • 疲れやすさ
  • 眠れない
  • 呼吸が速くなる(過呼吸)
  • 心拍数が上昇する

脳が不安を感じると、体は戦う準備を整えようとして交感神経が活発になります。そのため、心臓がドキドキする、呼吸が浅くなる、冷や汗が出る、おなかが痛くなるといった体の症状が強く出ることがあります。これは脳の指令に対する体の自然な反応であり、あなたの体が異常なわけではありません。

不安障害(不安症)の検査・診断

不安障害の検査・診断は、基本的に専門の医師(精神科医や心療内科医)との問診が中心になります。以下のような方法で行われることが多いです。

  1. 問診票やアンケートへの回答
  2. 日常生活の状況(食事や睡眠、学校や家庭での様子)についての詳細な聞き取り
  3. これまでの体調や心の状態の変化を確認するためのカウンセリング

場合によっては、他の病気を除外するために、血液検査やホルモン検査が行われることもあります。これらの結果を総合的に判断し、不安障害の種類や重症度を見極めます。

不安障害(不安症)の治療

不安障害の治療は、主に以下の二つの方法が中心になります。

1.薬物療法
抗不安薬や抗うつ薬がよく処方されます。
専門医の判断のもと、副作用や飲む量に注意しながら進めます。
2.心理療法
認知行動療法(*3)などが代表的です。
カウンセラーや臨床心理士の支援を受けながら、安心できる環境で少しずつ不安への対処方法を学びます。

これらの治療は、症状やその人の生活環境に合わせて組み合わせることが多いです。薬で脳のアラーム音を小さくし、その間に少しずつ「大丈夫だ」と思える練習をしていくことで、本来の生活を取り戻していくことができます。

また、学校や家族からの理解とサポートも重要です。

※3:自分の考え方のくせを意識して行動を変える方法

不安障害(不安症)の合併症

不安障害を長期間放置してしまうと、他の病気を引き起こすことがあります。たとえば、以下のようなものが挙げられます。

  • うつ病
  • アルコールや薬物への依存(不安をまぎらわすために飲酒や薬の乱用が進む状態)
  • 睡眠障害(夜に眠れない、昼間に眠気が強くなるなど)

このような合併症が進行すると、より治療が難しくなることがあります。早めに専門家に相談し、適切な治療を受けることが重要です。

不安障害(不安症)の予防

不安障害を発症する原因を確実に予測する方法はありませんが、不安を感じている場合は症状の影響を軽減するための対策を講じることができます。

アルコールや薬物の使用は避けてください。アルコールや薬物の使用は不安を引き起こしたり、悪化させたりします。これらの物質に依存している場合は、やめることで不安を感じることがあります。自分でやめられない場合は、医師に相談するか、サポートグループを探してください。

更新:2026.09.26