体の病気と心の関係について教えてください

精神科

体の病気と心の病気は関係しているの?

急な心配事や恐怖に襲われると、だれもが心臓がバクバク、ドキドキしたり、手に汗をかいたりしますよね。人によりますが、胃がキリキリ痛んだり、下痢することもあります。心配事が長引くと気持ちは落ち込み、憂鬱(ゆううつ)になったり、イライラすることがあります。

また、体の病気、特に急に重大な病気になると、今後のことが心配になったり、心配しすぎて気持ちが落ち込んだり、普段できていたことが手につかなくなることがあります。

つまり、ストレスと体の症状とは、相互に影響を与え合っている関係で、ストレスが加わると自律神経の乱れやホルモンバランスの乱れ、免疫力の低下が起こり、さまざまな体の症状が出てきます。

自律神経やホルモンバランスの乱れにより、動悸(どうき)、胸苦しさ、胸の圧迫感、息苦しさ、息がつまる、吐き気、下痢、便秘、腹痛、胃の不快感、お腹(なか)の張り、頭痛、頭重感(ずじゅうかん)、目の疲れ、耳鳴り、口の渇き、喉(のど)のつかえたような感覚、飲み込みにくさ、痛み、しびれ、ふるえ、肩こり、発汗、かゆみ、立ちくらみ、頻尿(ひんにょう)、月経不順、微熱、倦怠感(けんたいかん)、疲労感、ほてり、めまい、気分の落ち込み、不安、イライラ感、意欲や集中力の低下、情緒不安定など、種々の症状を認めることがあります。

長い期間「ストレス」にさらされると、「体の症状」が長い期間続いてしまい、いわゆる自律神経失調症、心身症、パニック障害、不安症、適応障害やうつ病などに繋がるかもしれません。

このように、体と心は密接な関係を持ち、体の病気と心の病気とは、だれにでも起こりうる関係性を持っている、といえます。

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図1 体と心の天秤:体と心は相互に影響し合う、いわば「天秤」のような関係です

心疾患や脳血管疾患と心の病気は関係しているの?

心疾患の6人に1人、脳血管疾患も6人に1人は、うつ病を経験すると報告されています。

うつ病にかかると、一般的には何事も楽しめなくなり、憂鬱な気持ちが続き、何事も前向きに捉えられなくなる、といわれています。うつ病により運動量が減り、食事も偏ることで栄養状態が悪くなり、眠れないことでストレスも増え、自律神経やホルモンバランスの乱れが起こることで心疾患や脳血管疾患にかかりやすくなります。

心疾患や脳血管疾患にかかった早い時期にうつ病になると、リハビリテーションをする意欲が低くなり、回復の妨げになることもまれではありません。

このような状態にある場合は、看護師や主治医と相談し、希望、必要があれば、専門家である精神科医や心療内科医に相談することをお勧めします。

がんと心との関係は?

がんかもしれないと思ったときから、多くの方がさまざまなストレスを感じます。

病院を受診し検査や診断を経ている段階で、不安な気持ちはあり、診断を告知されたときには誰もが大きな衝撃を受け、大きく動揺し混乱するといわれています。

気持ちが不安定になり、食欲不振や不眠、何も手につかず意欲が低下したりと、さまざまな症状がみられ、個人差はありますが1〜2週間続くことが多いといわれています。その後は、新たな状況へ適応しようと頑張り、徐々に元の生活に近い状態に戻っていきます。

ただ、一部の方は不眠が続き、不安が持続したり、憂鬱になったり、食欲が落ち、絶望感に迫られる状態となり、不安症、適応障害やうつ病という、心の病に至ることもあります。

だれもが、検査後から告知直後には不安定になりますが、それから2週間過ぎても精神的に安定しない場合は、看護師や主治医に相談し、希望、必要があれば、専門家である精神科医や心療内科医、精神腫瘍(しゅよう)医に相談することをお勧めします。

また、がんは再発することがあり、積極的な抗がん治療を行えなくなることもあります。その際も大きな衝撃を受け、精神的に不安定になることがあります。体の些細な変化を病状悪化と結びつけて考えやすくなってしまうため、その分ストレスが増え、より大きく動揺し、混乱します。

心の面のみならず、生活の面でも今後の見通しが利きにくい状況であり、心の面のみの治療では不十分になることがありますので、主治医や看護師と相談の上、がん相談支援センターの専門相談員、緩和ケアチーム、心理士への相談をお勧めします。

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図2 がんが大きくなるほど、不安も大きくなっていきます

体と心とは密接な関係があり、急激な大きなストレスがかかると、体も心も病気になることがあります。その際は主治医や看護師と相談し、必要があれば専門家に相談してください。

更新:2022.03.29