がくへんけいしょう

顎変形症

概要

顎変形症とは、歯を支えている土台である顎の骨自体に問題があるために、上顎や下顎が大きく前に突き出ていたり、逆に引っ込んでいたり、顎の形が歪(ゆが)んでいて顔が曲がっていたりする症状を示します。

顎変形症の方は、顔が変形していることが多く、噛み合わせ異常があり、上手に食べ物が噛めない、話しにくい、口を閉じることができないなどの機能的な障害が起こります。また、人前に出るのが苦手、歯を出して笑えないなど、自分の顔つきにコンプレックスを持っていることも多く、心理的な負担となることも少なくありません。

治療

顎の骨の変形の程度は人によってさまざまなので、X線写真や歯型、顔の写真などから変形の程度や原因を調べ、個人個人に合わせた治療方法を決めていきます。

顎変形症の治療の基本は、歯の矯正治療と顎の形を治す手術(顎矯正手術)です。
顎矯正手術は、歯の矯正治療だけでは治せない顔の変形を治すことができ、コンピュータを使って、数mm単位で手術後のシミュレーションを行うこともできます。ただ、全身麻酔に伴うリスク、手術後に起こる問題もあり、慎重な対応が必要ですが、変形が大きい場合は顎矯正手術でしか治療できない場合もあります。顎矯正手術前に、術後の噛み合わせを想定した歯の矯正治療(術前矯正)を行い、その後に顎矯正手術を行います。術後には、最終的な噛み合わせの微調整(術後矯正)が必要で、治療期間は全部で4~5年がかかりますが、治療後は顔の変形も改善され、歯並びと噛み合わせがきれいになり、何でも食べられるようになります。

更新:2022.08.15