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半月板断裂

概要

膝(ひざ)の半月板(※1)は、太ももの骨(大腿骨)とすねの骨(脛骨)の間にあるクッションのような組織です。膝の関節をスムーズに動かすために重要なはたらきをしており、衝撃を吸収し、関節の安定性を保つ役目を担っています。この半月板が傷つくことを「半月板損傷」といいます。スポーツの練習や試合の最中に起こる激しいひねりや、日常生活での思わぬ転倒などが原因となりやすく、子どもから高齢者まで幅広い世代が経験するけがです。

※1:膝の軟骨の一種

図
図:半月板

半月板断裂の原因

半月板断裂が起こる主な原因は、膝をひねったり過度に負担をかけたりする動作にあります。たとえば、サッカーやバスケットボールなどで急に方向転換をする動きや、ジャンプの着地の衝撃が膝に集中することで半月板が傷つくことがあります。また、高齢者の場合は、関節の老化や軟骨がすり減ることで半月板が弱くなり、わずかな段差でつまずいたり、膝を軽く曲げたときなどでも損傷することがあります。

さらに、体重過多で膝に大きな負荷がかかっている場合も、半月板が傷みやすくなる原因の一つです。日常生活の中で無理な動作や姿勢を取り続けることで、知らないうちに少しずつ半月板を痛めてしまうケースも存在します。

半月板断裂の症状

半月板断裂の主な症状としては、膝の痛みや腫れ、引っかかり感、膝を曲げ伸ばししたときの違和感などが挙げられます。スポーツ中や階段の上り下りで痛みが増すことが多く、ひどい場合は膝が思うように動かせず、歩行にも支障が出ることがあります。

一部の人は、膝の中から「コキッ」「パキッ」という音が聞こえることや、膝が外れそうな不安定感を訴える場合もあります。痛みや腫れが治まってきたとしても、半月板の一部がはがれたままになると、関節のすき間にそのはがれた組織が引っかかり、動きが悪くなることがあります。見た目には大きな変化がなくとも、損傷が進むとさらに軟骨に負担がかかり、将来的に変形性膝関節症(※2)(へんけいせいひざかんせつしょう)へと移行してしまうおそれがあります。

※2:膝が変形し痛みが出る病気

半月板断裂の検査・診断

医療機関では、まず医師が患者の話を聞きながら膝の状態を触診し、膝の動きや痛みの場所、腫れの程度を調べます。続いて、レントゲンやMRIといった画像検査を行い、半月板の損傷の有無やその程度を確認するのが一般的です。

レントゲン検査では主に骨の状態を確認しますが、軟骨組織である半月板そのものは映りにくいため、詳細な評価はMRI検査が役立ちます。MRI検査によって半月板の裂け目の位置や大きさだけでなく、周囲の靱帯(じんたい)や軟骨へのダメージの有無も総合的に判断できます。また、必要に応じて関節鏡(※3)を使って診断する場合もあります。

※3:関節内部を直接観察する医療機器

半月板断裂の治療

治療法は損傷の程度や患者の年齢、生活スタイルなどによって変わります。軽度の場合は、膝にかかる負担を減らして自然治癒を待つ保存療法が選ばれることが多いです。たとえば、患部を冷やしながら安静を保ち、炎症がおさまったらリハビリテーション(機能回復訓練)を行います。リハビリの段階では、太ももの筋肉(大腿四頭筋など)を強化し、膝への負担を減らすトレーニングを取り入れます。

一方、半月板の損傷が大きい場合や、痛みが改善しない場合などは、手術が検討されることがあります。代表的な手術としては、関節鏡を使った部分切除や縫合(※4)(ほうごう)などがあります。関節鏡手術は小さな切開で済み、術後の回復が比較的早いメリットがあります。ただし、損傷の場所や範囲によっては、縫合しても血流が少ない部分では傷が治りにくいため、切除が必要になることもあります。手術後は医師の指示に従い、適切なリハビリを続けることが大切です。

※4:裂け目を縫い合わせる

半月板断裂の合併症

半月板断裂を放置してしまうと、損傷がさらに悪化して関節軟骨に余計な負担がかかり、変形性膝関節症へ移行しやすくなると指摘されています。また、膝がスムーズに動かせないことで筋力低下が起こり、転倒のリスクが高まる場合もあります。痛みをかばいながら生活していると、反対側の膝や腰にも負担がかかり、ほかの関節を傷めるおそれもあります。こうした合併症を防ぐためにも、適切な診断と治療を早めに受けることが重要です。

更新:2026.02.04

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