緊急避妊薬(アフターピル)が薬局で購入可能に!2026年2月開始の購入方法・効果・副作用

性交時の避妊に失敗した場合の対処としては、これまでは医療機関で緊急避妊薬(アフターピル)を処方してもらって服用しなければなりませんでした。ところが、緊急避妊薬は性交後72時間以内に服用する必要があるため、薬を処方してもらっていると間に合わないという事態も起こり得ることが課題でした。

しかし2026年2月から、処方箋なしでも薬局・ドラッグストアで緊急避妊薬の購入が可能になりました。このことにより、万が一の望まない妊娠を減少させることができると期待されています。今回は、この緊急避妊薬の購入方法や効果などについて解説します。

緊急避妊薬の「スイッチOTC化」とは?薬局・ドラッグストアでの購入方法と条件

医師が処方しなければならなかった医療用医薬品を、市販薬に転用

2026年2月2日から処方箋なしでも薬局やドラッグストアで購入できるようになった緊急避妊薬は、「ノルレボ」(販売元・第一三共ヘルスケア株式会社)という薬です。

これまで医師による処方箋なしには購入できなかった医療用医薬品を、市販薬に転用することを「スイッチOTC」といいます。

図:緊急避妊薬「ノルレボ」
出典:プレスリリース「日本初のOTC緊急避妊薬「ノルレボ®」を新発売 <発売日:2026年2月2日(月)>」(第一三共ヘルスケア株式会社)

「ノルレボ」自体は2011年に医師が処方する医療用医薬品として販売が開始されていました。しかし緊急避妊薬は、性交後72時間以内に服用する必要があり、しかもなるべく早めに服用した方が高い効果が期待できる薬です。処方が必要だと、環境次第では72時間以内の服用が間に合わないというケースもあったことから、医師の処方箋なしでも薬局・ドラッグストアで購入できる市販薬に転用する「スイッチOTC化」が求められていました。

2025年度にようやく緊急避妊薬の「スイッチOTC化」が認められ、市販薬として発売されたのが「ノルレボ」です。また、2026年3月9日には後発薬(ジェネリック医薬品)として、緊急避妊薬「レソエル72」(販売元:アリナミン製薬株式会社)の発売も予定されています。

図:緊急避妊薬「レソエル72」
出典:プレスリリース「緊急避妊薬『レソエル72』の製造販売承認取得および販売開始のお知らせ」(アリナミン製薬株式会社)

「レソエル72」は「ノルレボ」と同一成分の薬ですが、1錠のメーカー希望小売価格は「ノルレボ」が7,480円(税込み)なのに対し「レソエル72」は6,930円(税込み)と、少し安価なのが特徴です。

チェック項目をクリアしたうえで購入し、薬剤師の面前で服用

緊急避妊薬を購入する際にまず注意したいのは、販売できるのはプライバシーへの配慮や産婦人科との連携といったいくつかの要件を満たす薬局・ドラッグストアだけという点です。そのため、事前に緊急避妊薬の取り扱いがあるかどうかを確認する必要があります。

次に注意が必要なのが、服用する本人が来店し、薬剤師から服用前の事前チェックなどを受けたうえで購入できるという点です。事前チェックでは、以下の項目のような確認を受けます。

  • 妊娠の可能性がある性交から72時間以内か
  • 服用希望者本人か
  • 「肝臓病」「心臓病」「腎臓病」あるいは重度の「消化器疾患」の診断を受けていないか
  • アレルギー症状の有無
  • 現在、妊娠していないか

該当する項目がある場合は、緊急避妊薬を購入できないことがあります。

最後に注意したいのが、緊急避妊薬1錠を購入した後はその場で、薬剤師の目の前で服用する必要があることです。薬を持ち帰って服用することはできません。なお、購入時にはパートナーや保護者の同意は不要です。

緊急避妊薬と従来の避妊方法の違い

緊急避妊薬が妊娠を防ぐ仕組み

今回、医師の処方なしで購入が可能になった緊急避妊薬「ノルレボ」「レソエル72」ですが、薬に含まれる黄体ホルモンによって「排卵の抑制と遅延」と「受精卵の着床阻害」という2つの効果で、妊娠を防ぐことができる仕組みになっています。

まず「排卵の抑制と遅延」についてですが、これは排卵前の段階で妊娠を防ぐための効果です。黄体ホルモンが脳に働きかけて排卵を抑止・遅延させることで排卵のタイミングがずれて、受精を回避します。

服用時に排卵がすでに起きていた場合でも、「受精卵の着床阻害」の効果で妊娠を防ぐことが可能です。黄体ホルモンが子宮内膜の増殖を抑制し、受精卵が着床できない環境をつくることで、妊娠を防ぐのです。

緊急避妊薬は、その働きから、性交後72時間以内であっても、服用が早ければ早いほど高い効果が期待できます。「ノルレボ」の販売元である第一三共ヘルスケア株式会社によると、72時間以内の服用による妊娠阻止率は81%だとしています。

緊急避妊薬は服用後、すぐに効果が出るものではありません。服用から3週間後に産婦人科を受診するなどして、妊娠していないことを確定させるようにしましょう。

従来の避妊方法との使い分けが大切

緊急避妊薬はあくまで万が一の場合のための薬であり、避妊のために常用するものではありません。以下は、緊急避妊薬と従来の主な避妊方法との比較です。

タイミング メリット デメリット
緊急避妊薬 性交後72時間以内 ・避妊に失敗しても、性交後に妊娠を防げる唯一の方法 ・性交前に服用しても効果がない
・妊娠阻止率が81%なので、常用には向かない
避妊具
(コンドーム)
性交直前 ・性感染症を予防できる
・安価で容易に入手できる
・使用ミス(破損・脱落)のリスクがある
・男性の協力が必須
子宮内避妊具 数年に1度、医療機関で挿入 ・1度挿入すれば、効果が数年続く ・挿入時に痛みや出血を伴うことがある
・個人差で、挿入しにくい場合がある
低用量ピル 毎日 ・正しく服用すれば、避妊効果は非常に高い
・生理痛の緩和や周期の安定にも効果がある
・服用の頻度が高い
・服用開始時に吐き気や頭痛といった副作用がある
・血栓症のリスクがある

緊急避妊薬があるから安心というわけではありません。使い分けが大切です。

緊急避妊薬の副作用

緊急避妊薬には、服用すると以下のような副作用が起こる場合があります。

  • 吐き気や嘔吐(おうと)、下腹部の痛み、下痢、腹痛
  • 頭痛、眠気、めまい、不安
  • 不正性器出血、月経異常(月経過多、月経遅延)
  • 貧血、倦怠感(けんたいかん)、疲労、口の渇き、手足のむくみ、乳房圧痛(乳房を押したり触ったりした際に生じる痛み)

副作用が出た際には、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。

望まない妊娠時に選べる、「飲む中絶薬」という選択肢

先に述べたように、緊急避妊薬は妊娠後には服用できませんし、効果もありません。しかし、緊急避妊薬の服用も間に合わず、避妊の失敗や性被害による望まない妊娠というのは起こり得ます。

そんな場合に、外科手術なしに中絶ができるため比較的母体への負担が少ないと注目されているのが、「メフィーゴパック」という飲む中絶薬です。子宮収縮を促して妊娠組織を排出する効果があります。

妊娠63日(9週0日)以内に、「ミフェプリストン」と「ミソプロストール」という2種類の飲み薬を服用することで、約93.3%が中絶できるとされています。

「メフィーゴパック」は薬局・ドラッグストアでは購入できず、母体保護法指定医師の管理下で服用する必要があります。現時点では保険適用外で、自由診療になります。

更新:2026.02.20