手足口病が2年ぶりに大流行。特別な治療法がないため、予防が肝心!
メディカルブレイン編集部

口の中や手足に発疹や水疱(水ぶくれ)が現れる「手足口病」が、2年ぶりに全国で大流行しています。症状は軽いものの、髄膜炎や脳炎といった中枢神経系の合併症や心筋炎などにつながる可能性があるため、軽視できない病気です。手足口病には特別な治療法がないため、対策は予防が中心になります。今回は手足口病の症状や予防法について解説します。
手足口病の原因や症状は?
例年7~8月に流行のピークを迎える
手足口病は「ヘルパンギーナ」や「咽頭結膜熱(プール熱)」とともに「子どもの三大夏風邪」とも呼ばれる病気です。例年、乳幼児を中心に6月頃から患者さんが急激に増加し、7月から8月にかけて流行のピークを迎えます。
(関連記事:6月から急増!子どもの三大夏風邪「手足口病」「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」)
手足口病はコクサッキーA16(CA16)やコクサッキーA6(CA6)、エンテロウイルス71(EV71)といったエンテロウイルスが原因となって起こるウイルス性の感染症です。
その名の通り、口の中や手足に水疱が現れる病気
手足口病の原因となるウイルスに感染すると、3~5日後にその名の通り口の中や手の甲、手のひら、足の甲や足裏に2~3mmの水疱が現れます。
感染者の1/3程度が38℃以下の発熱を伴い、喉の痛みや食欲不振を訴えることもありますが、一般的には軽症で、発症後3~7日程度で自然に治ります。しかし、まれに髄膜炎や脳炎といった中枢神経系の合併症や心筋炎などにつながることがあるため、注意が必要です。
手足口病は原因となるエンテロウイルスが複数存在するため、ひと夏の間に何度もかかる可能性があることも特徴です。
免疫力が低く、集団生活の機会が多い乳幼児が多く感染
手足口病の主な感染経路は、飛沫感染、接触感染、糞口感染の3つです。
飛沫感染では、咳やくしゃみ、会話などで飛び散る唾液などのしぶきを吸い込むことによって感染します。
接触感染では、原因となるウイルスが付いたおもちゃやドアノブ、タオルなどに触れた手で口や鼻を触ることで感染します。また、水疱の中の液体にも原因となるウイルスが含まれているため、それを触って感染することもあります。
そして糞口感染では、おむつ替えやトイレの後の手洗いが不十分な場合に、便と一緒に排泄されたウイルスが口に入って感染します。
手足口病は乳幼児が感染することが多いのですが、免疫力が低いことに加え、集団生活を行う機会が多いのがその理由です。
また、乳幼児だけではなく大人も手足口病にかかることがあります。大人が感染した場合は、乳幼児より症状が重くなることが多いのが特徴です。
2年ぶりに手足口病が大流行
35都道府県で警報レベルを超えて流行中
手足口病は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」により5類感染症に定められていて、全国の小児科定点医療機関から毎週患者数が報告されています。
以下のグラフは、定点当たりの手足口病患者の報告数(全国)の推移を過去10年分、週ごとに示したものです。

2026年は第28週(7月6日~7月12日)の時点で、2年前の2024年とほぼ同じレベルの報告数の伸びを示しています。定点当たりの報告数は5.0人を超えると警報レベルとされているのですが、全国では第28週時点で9.12人と、警報レベルを軽く超過しています。
都道府県別に見ても、35都道府県が定点当たりの報告数5.0人を上回っていて、全国レベルで手足口病が流行していることが分かります。
流行のピークが過ぎても、油断は禁物!?
2024年には一度第28週(7月8日~7月14日)にピークを迎えて定点当たりの報告数が減少した後、再度増加に転じ、第41週(10月7日~10月13日)に再びピークを迎えるという、これまでに見られなかった傾向で流行しました。
これまで手足口病は7~8月が流行のピークでしたが、夏が終わったからといっても油断は禁物です。
手足口病の治療法と予防法
手足口病には、特別な治療法はない
手足口病には、特別な治療法は現在見つかっていません。そのため、発熱時には脱水を防ぐための水分補給、口の中に水疱ができた場合には刺激の少ない食事を選ぶなどの対策を行い、自然治癒を待つことが主な対策となります。
ただし、高熱の場合や口の中にできた水疱による痛みが強い場合には、解熱剤や鎮痛薬を用いることもあります。
手足口病の原因となるウイルスには、アルコール消毒が効かない
手足口病の対策で肝心なのは、予防です。ただし、手足口病の原因となるウイルスはアルコールに強く、一般的なアルコール消毒では効果が得られません。手足口病の予防では、主に以下の点に注意が必要です。
- 手洗い時にはせっけんを用い、流水で十分に洗い流す
- 交換したおむつはすぐに小さな袋に入れ、しっかりと口を結んで適切に処理する
- 使ったおもちゃやドアノブは、アルコールではなく水で薄めた塩素系漂白剤を使用してしっかりと拭いて消毒する

塩素系漂白剤を用いる際、酸性タイプの洗剤と混ざると有毒な塩素ガスが発生したり、目や肌に付くと炎症を起こしたりといったトラブルが発生することがあります。使用上の注意をよく読み、十分注意しましょう。
更新:2026.08.07
