基礎情報

概要

AIDS(エイズ)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染して免疫機能(体を守るしくみ)が大きく低下し、さまざまな病気にかかりやすくなる状態を指します。

HIVに感染しただけではAIDSとは呼びません。HIVによって免疫が破壊され、あらかじめ決められた23種類の合併症(日和見感染症やがんなど)のいずれかを発症した状態をAIDSと呼びます。現在は治療薬の進歩により、感染してもAIDSを発症させずに過ごすことが十分に可能です。

AIDSの原因

HIVは1)性的接触、2)血液を介した感染(注射器の使い回しなど)、3)母子感染(妊娠・出産・授乳時)でうつります。現在は輸血用血液の厳格な検査により輸血感染はほぼありません。ウイルスは体外では長く生きられないため、日常生活での握手や同じ風呂の使用で感染することはありません。

AIDSの症状

急性期
感染から2〜4週間で、発熱、のどの痛み、発疹、リンパ節の腫れ、だるさなど、インフルエンザに似た症状が数日〜数週間続くことがあります。
図
図:AIDS
無症候期
その後は10年以上症状が出ない場合もありますが、ウイルスは徐々に免疫細胞を減らします。
エイズ期
免疫が大きく低下すると、肺炎やカポジ肉腫(血管のがん)などの日和見感染症(免疫が弱いときに起こる感染症)やがんが現れます。体重減少、長引く下痢、発熱、物忘れや歩行障害など神経症状もみられます。

AIDSの検査・診断

HIVは血液または唾液の検査で分かります。代表的な方法は

  • 抗原抗体検査(ウイルスがいるかどうか調べる血液検査)
  • 核酸増幅検査(NAT)(ウイルスの遺伝子を調べる精度の高い検査)
    感染から3か月たてば、ほとんどの感染を確認できます。保健所では無料・匿名検査を実施しており、陽性の場合は専門医療機関を紹介しています。

検査を受けるタイミングには注意が必要です。感染の可能性がある機会から、血液中でウイルスや抗体が検出できるようになるまでには一定の期間(ウィンドウ期:約1〜3ヶ月)がかかります。確実な判定のためには、感染の機会から3ヶ月以上経過してから検査を受けることが推奨されます。

AIDSの治療

現在の主流は抗レトロウイルス療法(ウイルスを抑える飲み薬治療)で、数種類の薬を毎日続けて服用します。治療を早期に始め、飲み忘れなく続ければウイルス量を検出限界まで下げることができます。現在の治療の目標点は「U=U(Undetectable = Untransmittable)」と呼ばれます。これは、「薬でウイルス量が検査値以下に抑えられていれば、性交渉によって他の人に感染させることはない」という科学的事実によるものです。これにより、自分自身の健康を守るだけでなく、パートナーへの感染を防ぎながら、これまで通りの社会生活を送ることができます。

妊婦が適切に治療を受ければ、母子感染リスクは1%未満まで下がります。

AIDSの合併症

治療せずに免疫が低下すると、肺胞真菌症(カリニ肺炎)、サイトメガロウイルス網膜炎(目の感染症)、結核、リンパ腫(血液のがん)など重い合併症が起こります。また、長期感染では心血管疾患や腎障害、神経障害のリスクも高まります。

AIDSの予防

  • コンドームの正しい使用が基本です。
  • PrEP(プレップ、感染前予防内服):毎日または性行為前に薬を飲むことで感染リスクを大幅に減らせます。
  • PEP(ペップ、曝露後予防内服):感染の可能性がある接触から72時間以内に薬を飲み始める方法です。
最後に
感全国の保健所では、匿名・無料でHIV検査を受けることができます。プライバシーは厳重に守られますので、不安がある場合は一人で悩まず、早期に検査を受けることが、自分と大切な人を守る第一歩となります。

更新:2026.09.25