栄養サポートチーム(NST ) 栄養サポートチームの役割は?
糖尿病・内分泌代謝内科

●栄養サポートチームとは?
栄養サポートチーム(Nutrition Support Team:NST)は、栄養管理にかかわる専門的知識をもつ医師・看護師・薬剤師・管理栄養士など、多職種のメディカルスタッフで構成されるチームです。患者さんの栄養状態の改善を目的に活動しています(図)。適切な栄養管理は患者さんの早期回復に重要であり、栄養状態の改善により、全身状態の向上、創傷治癒(そうしょうちゆ)(傷の治り)の促進、感染症の予防など、さまざまな効果が期待できます。

早期栄養管理の重要性
当院は、年間約1,700人の重症救急患者さんを受け入れている高度救命救急センターをはじめ、外科系・循環器系・脳卒中(のうそっちゅう)系の集中治療室など、集中治療に特化した病床が96床あり、高度な急性期(※1)医療を提供しています。栄養管理は、重症患者さんの感染症予防や入院期間の短縮にも有用であり、集中治療室では、月平均389件(2023年度4~7月)の早期栄養介入管理を実施しています。
口から食事をとることができない重症患者さんの栄養管理は、経腸栄養(消化管にチューブを入れて栄養剤を流すこと)や経静脈栄養(点滴での栄養)が主体となります。ただ、一般病棟に移動後はできる限り元の食事に移行できるように、NSTをはじめ病棟スタッフが一丸となって患者さんの栄養面をサポートしています。
※1 急性期:病気・けがを発症後、14日以内(目安)。不安定な状態

栄養面をチームでサポート
入院中は身体的・精神的疾患や、抗がん剤などの薬剤の影響、術後の腸管機能低下など、さまざまな要因により食事がとれなくなってしまうことがあります。食べられないことは患者さんのストレスになるばかりでなく、低栄養による体力の低下や、感染症を含む合併症の増加など、病気の回復を遅らせるリスクにつながります。
NSTでは診療科を問わず、食べられない患者さんや低栄養の患者さんに対して、食べやすいゼリーや飲料の提案、適切な経腸栄養・経静脈栄養がなされているかの評価など、患者さん一人ひとりに適した栄養管理が行われるようにマネジメントしています。
更新:2025.12.12
