つうふう

痛風

痛風高尿酸血症が続くと現れる症状の1つです。

概要

高尿酸血症は血液中の尿酸値が高い状態をいいます。尿酸値が高いだけで症状が現れることはまれですが、高尿酸血症が続くと、高血圧糖尿病脂質異常症などの生活習慣病や慢性腎臓病を併発しやすくなります。さらに、動脈硬化を進行させて心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクが高まるといわれています。また、結晶となった尿酸が関節や腎臓などにたまると、関節炎、腎機能の低下、尿路結石などを起こします。もっともよく知られているのは痛風(つうふう)で、関節や足、耳などに激痛を感じることが多いようです。

血液中の尿酸が7.0mg/dlを超えると高尿酸血症と診断されますが、症状の出方には個人差があり、6.0mg/dl程度でも痛風を発症する人もいれば、9.0mg/dlでも自覚症状がない人もいます。

高尿酸血症は、女性ホルモンが尿酸値をコントロールしているため、患者さんの男女比では、男性が圧倒的に多く発症しますが、女性も閉経後の年代では若干増加するようです。

原因

尿酸はプリン体と呼ばれる物質から産生されます。プリン体は運動したり臓器を動かしたりするために必要な物質で、新しい細胞を作る役割を持っているため、体内で常に作られていますが、食品からも摂取しています。

通常はプリン体から尿酸が産生されたあと、一定量が体内にたまると自然に排泄されますが、鶏卵、魚卵、肉、魚、ビールといったプリン体が多く含まれる食品などをとり過ぎると、排泄されずに血液中の尿酸量が増えて高尿酸血症を発症します。

尿酸は酸性の物質なので、尿が酸性化していると尿酸が溶けず、結石ができやすくなるため、アルカリ性の食品をしっかり意識してとることが尿酸値を下げるには有効です。

症状

高尿酸血症の典型的な症状は、痛風と呼ばれる関節炎です。「風が当たっただけでも痛い」と表現されるほどの激痛があり、痛みは数日間続きます。関節にたまった尿酸の結晶が神経を刺激して起こりますが、足指の関節に現れることがもっとも多く、手足の他の関節や耳の軟骨に現れることもあります。

尿酸値が高いまま放置すると、尿酸は関節や腎臓などにたまり続け、関節の周囲に尿酸塩の結晶が表出して、こぶのように腫れる痛風結節が現れることがあります。

さらに進行すると、腎機能障害や尿路結石などを発症します。高尿酸血症は、糖尿病脂質異常症、肥満といった生活習慣病との関連が強く、合併症を起こすなど、相互に影響して動脈硬化を進行させる原因になります。

図
図:主な症状

検査

血液検査で、血中の尿酸値を調べるほか、関節内の尿酸塩結晶や、炎症の程度を見る超音波検査(エコー検査)や、CTによる腎臓の検査、尿中のph(水素イオン指数)の値、尿酸濃度をチェックするための尿検査を行うことがあります。

治療

高尿酸血症の治療法は、まず、生活習慣の改善です。肥満を解消するだけで、尿酸値を下げる効果があります。プリン体を多く含む食品を避け、栄養バランスの良い食生活で標準体重を維持し、飲酒を控えます。痛風の症状が数日で治まったからといって放置していると、次第に腎機能が低下したり、生活習慣病の発症へとつながりかねません。また、飲酒はビールを避ければいいというのも大きな間違いで、アルコールそのものが尿酸値を上げる原因となることがわかっています。自覚症状がない人も、高脂血症と診断されたら油断せずに治療することが大切です。

痛風による激痛を起こした場合は、非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAID)で痛みと炎症を抑えます。安静にして患部を心臓より高くして、冷却するなどの対症療法も効果があります。

痛みが治まったら、尿酸値を下げるために、尿酸生成抑制薬と尿酸排泄促進薬による薬物療法を行います。尿酸値を6.0m/dl以下に保つと、体内に沈着している尿酸の結晶が溶け出すといわれていますが、血液中の尿酸値が急激に下がると、かえって痛風の発作を起こすことがあるため、ゆっくり段階的に下げていく必要があります。医師の指示を守ってきちんと服薬することが大切です。

予防

魚卵やレバーなど、プリン体が多く含まれる食品の摂取はできるだけ控えて、野菜や海藻などのアルカリ性食品を積極的にとるようにします。アルコールは尿酸値を上げる原因にもなるため、飲酒は控えるか、適量にとどめましょう。

筋力トレーニングなどの激しい運動は、新陳代謝が上がって尿酸値の上昇を招くため、ウォーキングなどの負荷の軽い有酸素運動を継続して行うことが効果的です。尿量が増えれば体の中の尿酸が体外へ出やすくなるので、水分をよくとって尿量を増やすようにします。

十分な睡眠をとり、ストレスをためないようにすることも必要です。

更新:2022.05.26