しょうにがん

小児がん

概要

小児がんは、小児がかかるさまざまながんの総称で、一般的に15歳未満にみられるがんのことです。国際小児がん分類では、主分類で12種類、小分類で47種類に分類されるほど多くの種類がありますが、このうち白血病が38%と小児がんでもっとも多く、次いで脳腫瘍16%、リンパ腫9%、胚細胞腫瘍8%、神経芽腫7%となっています。

国立がん研究センターがん情報サービス「小児・AYA世代のがん罹患」(https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/child_aya.html)

小児がんの罹患率は、子どもの人口1万人当たり約1人と、成人のがんに比べるとかなり低く、しっかりと治療すれば7~8割が治るといわれています。

図
図:小児がんの罹患率の高い種別(1〜5位)

症状

⼩児がんは、がんの種類によって症状が異なることはもちろんですが、年齢による症状の違いも生じます。乳幼児は⾃分の症状を訴える表現⽅法が限られていることや、年⻑児は必ずしもすべての症状を両親に相談しない傾向にあることなども、年齢による症状の違いに関係すると考えられます。

ただし、小児がんは急激に進行することもあるので、気になる症状が続いたり、いつもと違う様⼦が認められるときは、すみやかに医療機関を受診することが重要です。

現れやすい症状

  • 発熱
  • 頭痛
  • リンパ節の腫れ
  • 骨や関節の痛み
  • 筋肉、胸、おなかのしこり
  • 食欲の低下、突然の嘔吐
  • 体重減少

原因

小児がんの原因は、まだ明らかにされていませんが、主な原因として遺伝的な要因や偶然起こる細胞の異常などが考えられています。大人のがんは喫煙や偏った食習慣といった生活習慣を原因とする場合が多いのに対して、小児がんは生活習慣が発生要因となっている可能性はほとんどないと考えられています。

神経芽腫、腎芽腫、肝芽腫など「芽腫」と呼ばれるがんの原因は、胎児のときに体の神経や腎臓、肝臓、網膜などになるはずだった細胞が、異常な細胞へと変化して増えていった結果と考えられています。また、網膜芽腫やウィルムス腫瘍のように、一部遺伝するものもあります。

検査・診断

がんの種類に合わせて次のような検査を行います。

血液検査

血液細胞(白血球、赤血球、血小板)数の異常や炎症の有無、腎臓や肝臓の機能などを調べるために行います。がんの種類によっては、血液中の腫瘍マーカーの値を調べるケースもあります。

画像検査

病変の有無を確認するためにレントゲン、CT、超音波などを用いた画像検査が行われます。病変が発見されたらMRIやPETなどを用いて、さらに精密検査を行います。

骨髄検査

白血病が疑われる場合は、骨髄の状態を評価するために骨髄を採取して詳しく観察する検査が行われます。痛みを伴う検査ですが、白血病のタイプや重症度などを評価し、治療方針を決める上で重要な検査となります。

治療

がんの種類によって治療法が異なります。

外科手術

しこりを形成するがん(脳腫瘍、神経芽腫、腎芽腫、骨腫瘍)は、基本的に手術によってがんの部分を切除します。

薬物療法

小児がんは、白血病をはじめとして抗がん剤や分子標的治療薬が効きやすいとされています。種類によって、使用される薬剤は異なりますが、多くの場合、高い効果があります。

放射線治療

脳腫瘍など臓器や骨、神経などに発生したがんに対して行われます。がんのタイプによって非常に高い効果が望まれることがあります。

造血幹細胞移植

白血病に対して、薬物療法で十分な効果が得られない場合は血液細胞のもととなる正常な造血幹細胞を移植する治療が行われます。副作用や体への負担が大きな治療となりますが、高い効果が期待されます。

更新:2022.05.16