チーム医療で支える小児がん診療

福井大学医学部附属病院

小児科

福井県吉田郡永平寺町

小児がんとは

小児がんとは、小児期にできる白血病や悪性リンパ腫など血液のがんのほか、脳腫瘍、横紋筋肉腫、神経芽腫、胚細胞腫瘍、肝芽腫、ウイルムス腫瘍、骨肉腫、ユーイング肉腫、網膜芽腫などの悪性腫瘍も含まれます。

小児がんの多くは、抗がん剤や放射線治療が比較的良く効き、治療法の進歩により、7~8割は治るようになりました。病院を受診するきっかけは、熱が続く、なんとなく元気がない、顔色が悪い、体の一部が腫れているなどさまざまですが、特徴的な症状がないため、最初は耳鼻科や皮膚科、整形外科など小児科以外を受診することも多く、診断にたどりつくまで時間がかかることもあります。

小児がんの治療

小児がんは大変まれなため、より良い治療法を確立する目的で全国の小児がん専門医が協力し、2014年12月に日本小児がん研究グループ(Japan Children’s Cancer Group:JCCG)を設立しました。お子さんが小児がんと診断された際、大きなショックを受け、また福井県内で治療を受けられるのかと心配に思われるかもしれません。しかし、当科は福井県内で唯一のJCCG参加施設、移植認定病院となっており、全国の小児がん専門施設と同じ治療法を受けられます。また、造血幹細胞移植が必要な患者さんの診療も受け入れており、必要に応じて他の小児がん拠点病院とも緊密な連携をとっています。

専門スタッフによるサポート体制

小児がんの治療の多くは長い闘病生活となります。私たちはお子さんが治療に向き合って頑張れるよう、その子の年齢や性格に応じて丁寧に分かりやすい説明に努めています。家族は病気以外にも、成長や発達に影響しないか、勉強が遅れて元の学校に戻れないのではないか、友人関係に問題が生じないかなど、いろいろな心配を持たれます。

当院では、お子さんや家族が安心して治療に向き合えるよう、小児科医、看護師、院内学級の教師、メディカルソーシャルワーカー、病棟保育士、ホスピタルプレイスペシャリスト(遊びを通じて療養を支える専門家)など、多くの専門スタッフが協力して治療をサポートしています。

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写真1 病棟プレイルーム
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写真2 スタッフステーション

更新:2023.09.11