骨盤臓器脱と尿失禁の最新治療

福井大学医学部附属病院

泌尿器科

福井県吉田郡永平寺町

骨盤臓器脱に対する最新治療

女性が股間に違和感を感じた時、それは骨盤臓器脱かもしれません。

骨盤内には膀胱、子宮、腸管があり、それらが膣から飛び出してくる病気です。

飛び出してきた臓器は手で触ることができ、ピンポン球や茄子のようだと仰る方もいます。

飛び出た臓器によって症状は変りますが、骨盤臓器脱の一番の症状は股間になにかが挟まっているという不快感です。場合によって失禁したり、逆に尿の出が悪くなったり、擦れて出血したりします。子宮を摘出された後でも骨盤臓器脱になる事はあります。

当院では膀胱脱や子宮脱だけでなく子宮全摘後の脱に対しても治療を行っています。

骨盤臓器脱の治療としてリングペッサリーでの温存療法や腟壁形成術の他に、メッシュを使用した手術を行っています。

メッシュを使用した手術としては臓器を下から支えるTVM手術や、下垂した臓器を引き上げる膣仙骨固定術があります。当院ではTVM以外にも腹腔鏡を使用した膣仙骨固定術(LSC)を積極的に行ってきました。そして2022年にロボット補助下の膣仙骨固定術(RSC)を福井県内で初めて開始しました。ロボットを使用することで、より繊細で確実性の高い手術を行うことができると実感しています。

膣仙骨固定術はおなかに4~5つの小さい穴を開けて行う手術です。術後の痛みは少なく、出血も少ないです。膀胱と膣の間にメッシュを挿入して固定します(図)。

図
図 LSC終了後の状態
メッシュが膀胱と膣、直腸の間に挿入され仙骨にメッシュが固定されている

続いて膣に固定したメッシュを引き上げて、骨盤の一部の仙骨の骨膜に糸で固定します。このメッシュが下垂する臓器を支えることで脱が治り、不快感なく歩けるようになります。

尿失禁について

初期のものならば骨盤底筋体操や内服で治療します。

腹圧でおこるひどい腹圧性尿失禁に対しては、メッシュを使用したTOT/TVT手術を行っています。尿道の裏にテープ状のメッシュを挿入しておなかに力が入っても漏れない様にする手術です。

女性泌尿器科外来について

女性泌尿器科外来は骨盤臓器脱や失禁、膀胱炎などの女性特有の病気を診る外来です。

非常に専門性が高く一般の泌尿器科では診察や治療が難しい領域です。

日本女性骨盤底医学会、日本骨盤臓器脱手術学会などの女性に特有な学会に所属している医師が診察を担当しています。女性医師も在籍しており受診しやすい雰囲気となっています。

排尿障害や骨盤臓器脱は命に関わる病気ではありませんが日常生活に支障を来す病気です。恥ずかしいと受診を悩んでいる方も勇気を持って受診してください。一緒に悩みを解決しましょう。

更新:2023.09.11