冬は体温上昇で免疫力アップ!健康増進をめざそう!

メディカルブレイン編集部

新年を迎え、寒さも一層厳しくなってきました。気温が低いと体温も下がりがちです。体温が低下すると基礎代謝が落ち、太りやすくなったり、免疫力が低下したりすると言われています。寒い冬こそ体温を上げることが重要です。

今回は、体温上昇のメリットや、その方法について詳しく見ていきます。

体温上昇のメリット

日本人の平均体温は36.89℃±0.34℃と言われています(日新醫學 田坂 定孝ほか「健常日本人腋窩温の統計値について」より)。しかし、最近では平熱が35℃台という低体温の人も増えています。体温が上昇すると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

免疫力アップと病気予防

体温が下がると血流が悪化します。血液の中には、細菌やウイルスなどの異物から体を守る白血球があり、血流が悪いと白血球の働きは低下します。そのため、体温が下がると免疫力が低下し、インフルエンザや風邪などにかかりやすくなります。

逆に、体温が上昇すると血流が良くなり、免疫力も高まります。体温が1℃上昇すると、免疫力は一時的に5~6倍増加すると言われています。

基礎代謝アップで太りにくい体に

基礎代謝とは、呼吸や心臓の活動など、人が生きていくために必要な最低限のエネルギー消費量のことです。基礎代謝が高いほどエネルギーをより多く消費し、痩せやすい体になります。

体温が1℃上昇すると、基礎代謝は約12~13%増加し、通常の生活でもより多くのエネルギーを消費します。また、内臓脂肪の減少にもつながり、メタボリックシンドローム対策にも効果的です。

新陳代謝アップでアンチエイジング

体温が上昇すると新陳代謝が促進され、老化した細胞から新しい細胞への生まれ変わりが活発になります。そのため、皮膚や髪の生まれ変わるサイクルが改善され、若々しさを保つ効果が期待できます。

快眠の促進

体の中心部分(心臓や脳などの体の深部)の体温のことを深部体温と言い、深部体温が下がると眠気が生じます。体温が低いと深部体温が下がりにくく、寝つきが悪くなったり、快眠を妨げることがあります。夕方から体温を上げ、眠る前に深部体温を徐々に下げる体温調整をすることで、良質な睡眠を促進します。

肩凝りやむくみの改善

肩凝りやむくみの主な原因は血行障害です。体温が上がると血流が良くなり、肩凝りやむくみの改善が期待できます。

そのほかの効果

  • 腸の運動促進による便秘や大腸がんの予防
  • 骨粗(こつそ)しょう(しょう)の予防
  • 脳の血行改善による記憶力低下や認知症の予防

体温上昇の方法

どのようにしたら体温は上がるのでしょうか。具体的な方法を解説していきます。

運動

体温と筋肉量には深い関連があり、低体温の主な原因は筋肉量の減少と考えられています。実際、筋肉は体の熱を作る大きな役割を果たしていて、筋肉量を増やすことで体温を上昇させることができます。効果的な筋肉増強方法をご紹介します。

【スクワット】

筋肉の約70%は下半身に集中しています。スクワットは下半身の筋肉を効率よく鍛えることができます。入浴の前や家事の合間など、継続的に行ってみてください。

【ウオーキング】

ウオーキングは運動が苦手な人でも取り組みやすく、体力に合わせて強度調整もできます。有酸素運動で脂肪燃焼も促進されますので、毎日15分以上を目標に、習慣化させましょう。

食事

体温を上げるために普段の食事も重要です。
以下のような食品を取り入れることで、体温上昇効果が期待できます。

【たんぱく質を含む食品】

たんぱく質は体温を上げるために最もエネルギーを消費する栄養素です。たんぱく質を多く含む食事をよくかんで食べることで、体温上昇につながります。

【体を温める食品】

冬に旬を迎える野菜や寒い地域で採れる野菜は、体を温める効果があります。ショウガやネギ、ニンニク、唐辛子なども体を温める食品として知られています。逆に体を冷やす食品もあるので注意が必要です。

体を温める食品 ● 冬が旬、寒い地域で採れる物(ニンジン・レンコン・ゴボウ・ホウレンソウなど)
● 未精製の食品(黒糖・胚芽米など)
● 発酵食品(みそ・納豆など)
体を冷やす食品 ● 夏が旬、暖かい地域で採れる物(ナス・トマト・きゅうり・オレンジ・バナナなど)
● 精製された食品(白砂糖・白米・小麦製品など)

イラスト左:体を温める食品、イラスト右:体を冷やす食品

白湯(さゆ)を飲む

人間の体温は朝が一番低く、朝起きた時に白湯を飲むことで体を温め、体温を上昇させることができます。

また、就寝前に白湯を飲めば、快眠につながります。

入浴

ゆっくり湯船に漬かることは、体温を上昇させるだけでなく、リラックス効果も期待できます。

就寝の2~3時間前に38℃のぬるめのお湯に25~30分入浴するか、42℃の熱めのお湯に5分程度入浴します。また、約40℃のお湯に30分ほど半身浴するのも良いでしょう。

防寒

外出時や冷えが気になる時は、マフラーや帽子、手袋などを着用し、体の露出部分を少なくすることで体を温め、体の熱を逃がさないようにします。また、腹巻きや湯たんぽ、カイロを利用するのも有効です。

体温の上昇は、免疫力や基礎代謝のアップなど、多くのメリットがあります。運動や食事、入浴などの日常生活の工夫で、寒さに負けない健康な体を維持しましょう。

更新:2024.01.09