冬の肌の悩みを解決して美肌をキープ！乾燥肌の原因と対策

メディカルブレイン編集部

寒くなると湿度が低下し、肌が乾燥して白い粉がふいたような状態になったり、背中や腕が痒くなったりすることがよくあります。
この季節、肌の乾燥で悩んでいる人が多いのではないでしょうか。

今回は、肌の乾燥の原因とその対策についてご紹介します。

皮膚の構造

私たちの皮膚は、表面から「表皮(ひょうひ)）」、「真皮(しんぴ)）」、「皮下組織」という3層で成り立っています。

さらに、一番外側の層である表皮は、「皮脂膜(ひしまく)」、「角層(かくそう)（または角質層(かくしつそう)）」、「顆粒層(かりゅうそう)」、「有棘層(ゆうきょくそう)」、「基底層(きていそう)」で形成されており、その中で皮脂膜は一番外側に位置しています（下図参照）。

皮膚の表面を覆っている皮脂膜は、皮脂と汗で構成された薄い膜で、肌の水分の蒸発を防ぐ役割があります。

また、皮脂膜の下にある角層は、厚さが0.02mmと非常に薄い部分ですが、外部からの刺激（菌、化学物質、紫外線など）をブロックし、体内の水分が外部に失われるのを防ぐ重要な役割を果たしています。

これらの皮脂の機能は、「肌のバリア機能」と呼ばれ、この機能が低下すると、外部からの刺激に敏感になり、炎症を起こしやすくなったり、水分不足で肌がカサカサに乾燥したりすることがあります。

では、なぜ冬になると肌が乾燥して肌荒れを起こしやすくなるのでしょうか。

湿度は肌の状態に大きな影響を与えます。太平洋側の地域では、冬は湿度が低く乾燥する季節です。また、雪が降る日本海側の地域でも暖房機器の使用により室内の湿度が低下し、乾燥しやすくなります。

湿度が低い乾燥した空気が肌に触れると、肌の水分が空気中に奪われ、肌が乾燥していきます。肌に良い湿度は65～75％で、50%以下になると急激に肌の乾燥が進むと言われています。

寒い冬は体が冷えやすくなり、肌の水分の蒸発を防ぐ皮脂膜を構成する皮脂や汗の分泌量が減少します。このため、肌のバリア機能が低下し、肌の水分が奪われやすい状態になります。

また、体の冷えは、新陳代謝の低下を招き、肌の細胞の生まれ変わり（ターンオーバー）の乱れにつながっていきます。

冬になると、肌がカサカサして痒くなることがよくあります。

空気の乾燥や低い気温によって肌の水分が奪われ、バリア機能が低下します。このバリア機能の低下により、ますます肌の水分が体外に失われ、結果として肌はさらに乾燥していきます。このような状態では、外部からの刺激を受けやすく、肌が敏感になって痒みが引き起こされることになります。

冬の乾燥から肌を守るための具体的な対策をご紹介します。

イラスト：乾燥肌の女性

市販の化粧水やクリームなどの保湿剤を使って角層に水分を与えると同時に、水分が奪われないように保湿します。

朝と入浴後の1日2回、多めに塗ると効果的です。入浴後は10分以内に保湿するようにしてください。また、水仕事の後などにも小まめに塗るといいでしょう。

保湿剤には、主成分が尿素、ヘパリン類似物質、セラミド、ワセリンなどのさまざまな種類の物がありますので、自分に合った保湿剤を見つけてください。乾燥する冬は軟こうやクリームタイプがお薦めです。

室内では加湿器を使い、湿度の低下を防ぎましょう。60％前後の湿度を保つのが理想です。加湿器がない場合は、部屋にぬれたタオルをかけるなどの工夫をしましょう。

熱いお湯は皮脂が流失しやすくなります。湯船やシャワーの温度はぬるめの38～40 ℃くらいに設定し、長湯しないようにしましょう。体をごしごしと洗いすぎるのも厳禁です。せっけんを泡立てて、やさしく洗うようにします。

入浴後はすぐに肌の乾燥が始まります。できるだけ早く保湿するように心がけましょう。

肌が乾燥していると、外からの刺激を受けやすい敏感な状態になっています。家事や入浴、手洗いの際、洗浄力の強いせっけんやシャンプーを使うと皮脂を洗い流し、バリア機能を低下させてしまいます。できるだけ肌に優しいせっけんやシャンプーを、しっかり泡立ててやさしく使うようにしましょう。

紫外線は肌にダメージを与えます。夏ほど強くはありませんが、冬も紫外線対策をしっかり行いましょう。

肌に触れる衣類や寝具は、できるだけ柔らかくなめらかな素材の物を選びましょう。ざらざらしていたりけば立った素材の物が肌に触れると、肌がかさついて痒くなることがあるので注意しましょう。

質の高い睡眠は、肌のターンオーバーを促進します。十分な睡眠をとるように心がけましょう。

冬は寒さと低湿度が肌に厳しい影響を与えます。正しい保湿と環境のケアを心がけ、冷たく乾燥した季節を快適に過ごし、健康で輝く肌を手に入れましょう。

更新：2024.02.09