猫背や反り腰などの姿勢改善、首の痛みの緩和には腸腰筋を鍛えるのが効果的?

メディカルブレイン編集部

背中が丸まってしまう猫背や、腰が過剰に反ってしまう反り腰に悩んでいませんか?これらは放置していると、腰痛や歩きにくさ、あるいはストレートネックにつながってしまう、怖い症状です。姿勢改善のためには体の筋肉を鍛えることと、柔軟さを保つためにほぐすことが必要ですが、そこで注目したいのが腸腰筋(ちょうようきん)と呼ばれる筋肉です。今回は腸腰筋の働きと、腸腰筋に効果的なエクササイズとストレッチの方法を解説します。

体のバランスを取り、姿勢を維持する働きを持つ腸腰筋

腸腰筋は上半身と下半身をつなぐインナーマッスル

腸腰筋は、背骨と太ももの骨をつなぐ大腰筋(だいようきん)と、骨盤の内側から太ももの骨にかけて伸びる腸骨筋(ちょうこつきん)などの総称です。上半身と下半身をつなぐ要となる筋肉です。

イラスト:腸腰筋の構造。背骨と太ももの骨をつなぐ大腰筋と骨盤の内側から太ももの骨にかけて伸びる腸骨筋からなる筋肉。

腸腰筋は足を引き上げる動作や姿勢の維持に深く関わっている筋肉で、体の奥深くにあるインナーマッスルと呼ばれる筋肉の1つです。体の表面からは触ることがほぼできない筋肉なので、普段はあまり意識することはありません。

しかし腸腰筋は加齢や運動不足、長時間の座った姿勢などで、弱っていきます。反対に、走ったり蹴ったりといった激しい動作を続けると腸腰筋は緊張し、硬直していきます。

腸腰筋が弱る、あるいは使いすぎて硬直すると、骨盤が正しい位置を保てず、前や後ろに傾いていきます。すると、体のバランスを取ろうと背中が丸まる猫背、あるいは反ってしまう反り腰が発生して、腰痛の原因になります。

腸腰筋の影響は、姿勢だけではありません。歩く際に足の付け根に痛みを感じることや、股関節に動きにくさを覚えることにも結び付きます。さらに、猫背になると全身のバランスを取るために首が前に出ようとしてストレートネックにもなり、首の痛みにもつながっていくのです。

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腸腰筋の鍛え方は、アウターマッスルとは異なる

臀部(でんぶ)の大臀筋(だいでんきん)や背中の脊柱起立筋(せきちゅうきりつきん)などの体の表面から見たり触ったりできるアウターマッスルとは異なり、腸腰筋は体の奥深くにあるインナーマッスルです。そのため、普段は動きを意識する機会はあまりありません。

鍛えるコツもアウターマッスルとは異なります。高負荷をかけて太く大きくなるように鍛えやすいアウターマッスルのトレーニングとは異なり、インナーマッスルを鍛えるためには、呼吸や動きを意識しながら低負荷をかけるのがポイントです。

また、腸腰筋は鍛えると同時に、硬直しないようにほぐす必要もあります。腸腰筋を鍛えすぎて硬直してしまうと、姿勢が崩れたり、歩きにくさを感じたりする原因になるからです。

続いては、腸腰筋に効果的なエクササイズとストレッチの方法をご紹介します。

腸腰筋に効果的なエクササイズ

【初心者向け】椅子を使ったシーテッド・ニーレイズ

まずは初心者でも気軽にできる、椅子を使った「シーテッド・ニーレイズ」というエクササイズをご紹介します。

  1. 椅子に浅めに座り、背もたれには寄りかからずに背筋を伸ばします。両手で椅子の縁を軽くつかみ、体を支えます。
  2. 息を吐きながら、両膝をそろえたまま胸に近づけるように高く引き上げます。下腹部と足の付け根(腸腰筋)がギュッと縮まるのを意識することが大切です。
  3. 息を吸いながら、足裏が床につかないギリギリのところまでゆっくりと戻します。
イラスト:腸腰筋に効果的なエクササイズ、シーテッド・ニーレイズ。

10~15回を3セット繰り返すのが目安です。常に下腹部に力を入れて行うことと、足を引き上げる際に、背中が丸まりすぎないことに注意しましょう。

【上級者向け】腹直筋も鍛えられる「ハンギング・レッグレイズ」

普段からジムでトレーニングしているという人におすすめなのが、バーにぶら下がって行う「ハンギング・レッグレイズ」です。

  1. 肩幅より少し広めの位置でバーを握り、ぶら下がります。両膝を伸ばしてそろえ、体を安定させます。
  2. 腹筋と足の付け根に力を入れ、息を吐きながら両足を前方へ引き上げます。太ももが床と平行になる位置(90度)を目指して引き上げましょう。
  3. 力を抜いて息を吸いながら、ゆっくりと足を元の位置に戻します。反動を使わないように注意しましょう。
イラスト:バーにぶら下がって行う、ハンギング・レッグレイズ。

10回3セットが目安です。かなり負荷の大きいトレーニングで、腸腰筋だけではなく腹直筋(ふくちょくきん)の下部も鍛えられるのが特徴です。いわゆる「シックスパック(6つに割れた腹筋)」をつくりたい時に有効なトレーニングです。ただし、きついトレーニングのため、試してみて苦しい場合は、まずは膝を曲げた状態で始めましょう。

腸腰筋を硬直させないために、エクササイズと併用したいストレッチ

就寝前、起床後にベッドでできる気軽な「片膝抱えストレッチ」

腸腰筋は鍛えることも重要ですが、同時に硬直させないことにも注意が必要です。そのため、エクササイズを行う際には、同時にストレッチを行うことをおすすめします。

まずは、ベッド上で手軽にできる「片膝抱えストレッチ」の方法をご紹介します。

  1. あおむけに寝て、両足を真っすぐ伸ばします。
  2. 片方の膝を曲げ、息を吐きながら両手で抱え込んでゆっくりと胸に引き寄せます。
  3. 伸ばしている方の足の付け根が床から浮かないように意識しながら、20~30秒間姿勢をキープします。反対側の足も同様に行います。
イラスト:ベッドで手軽にできる、片膝抱えストレッチ。

無理に伸ばしすぎることは禁物です。「痛気持ちいい」と感じる程度のところで姿勢をキープするようにしましょう。

もう少し伸ばしたい。そんな時は、片膝立ちの「ランジ・ストレッチ」

「片膝抱えストレッチ」では物足りないという人は、片膝立ちの「ランジ・ストレッチ」を試してください。

  1. 床に両膝を着き、片足を大きく前に出します。前足の膝は90度程度に曲げます。
  2. 両手は前足の膝の上に軽く添えて、背筋を伸ばします。
  3. 息を吐きながら、ゆっくりと重心を前足の方へ移動させます。
  4. 後ろ足の付け根が伸びているのを感じつつ、20〜30秒間姿勢をキープします。反対側の足も同様に行います。
イラスト:片膝立ちの、ランジストレッチ。

重心を前足の方に移動させる際に、腰が反らないようにすることがポイントです。

更新:2026.10.01