排尿ケアチーム 入院中尿が出にくいときは私たちにご相談ください —— 尿道カテーテルを抜いたあとの排尿障害——
日本医科大学付属病院
泌尿器科
東京都文京区千駄木

排尿ケアチームとは?
入院中、尿道カテーテル(※1)を使用したあと、尿の調子が悪くなることがあります。そんなときは私たち排尿ケアチームの出番です。排尿ケアチームには、泌尿器科医師、看護師、理学療法士、作業療法士がいます。看護師には排泄(はいせつ)ケアを専門とするものもいます。
患者さんの排尿がうまくいかない理由を探り、どうすればよくなるのか、日常生活に戻ったあとも排尿を1人で最初から最後までできるのかといったことを、さまざまな観点から検討し、調整するのが私たちの仕事です。
※1 カテーテル:医療用の細い管
排尿ケアチームの目標
予期せぬ病気や治療に伴い、入院前まで普通にできていた排尿に不具合が生じることがあります。排尿ケアチームの目標は、このような患者さんが、トイレに行くところからトイレを出てくるところまで自力でできる状態になることです。病気の状態、運動能力などに応じて、薬の使用や排尿のトレーニング、トイレの環境や排尿用具を工夫することで、1人で排尿できるように支援していきます。
「人の手を借りずに排尿できる」ということは、人間の尊厳につながる大切なことです。しかし、羞恥心もありなかなか言い出せない人もいるかもしれません。当院では、入院中に尿道カテーテルを使用した患者さんは全員、その後の排尿状態を確認し、結果に応じて私たち排尿ケアチームが対応しています。
排尿ケアチームで行うこと
病棟担当看護師も加わり、まずカンファレンス(検討会)を行います。医師は病気や治療の状況、考えられる排尿障害の原因と対策を説明します。看護師は患者さんにかかわるあらゆる情報や、時には患者さん自身が気づいていない症状までも共有し、把握を促します。理学療法士と作業療法士は、患者さんの現在の身体能力で何ができるのか、リハビリでどこまで回復できるのか、どんな助けがあれば排尿のための動きができるのかといったことを考えます。皆で話し合い、ある程度のイメージが固まったところで患者さんに会いに行きます。

入院前の尿の状態や、退院に向けて排尿で心配なことなどを聞き取り、それをもとに患者さんと今後の排尿の目標を決め、対策を実行していきます。週1回このようなカンファレンスと回診を行い、患者さんの状況を毎回確認しながら、その都度より良い方法を求めて方針を修正していきます。転院、退院が決まった場合は、それまでの方針を転院先の病院もしくは当院の泌尿器科外来で共有し、継続できるように調整しています。
更新:2025.12.12
