尿酸値が高いと言われたら?痛風との関係と数値を下げる食事・お酒の飲み方【健診結果のミカタ・第4回】

健康診断結果の「見方」を知ることで自身の健康の「味方」にしていくこの企画。第4回では、尿酸値について解説します。年末の忘年会から正月、そして年明けの新年会にかけてお酒を飲む機会が増えるこの時期に、健康を気にしている人からよく聞く言葉の一つが尿酸値です。そして尿酸値を気にする人が、同時によく口にする言葉として痛風、プリン体が挙げられます。この三つの言葉ですが、それぞれが関係し合っていることは何となく理解できるものの、実際にどのように関係しているのかを具体的にご存じですか?

尿酸値と痛風、プリン体の関係とは?

尿酸値が基準値を超えて高くなると、痛風の発症リスクが増加

「尿酸値が高いので、今日飲むのは乾杯の生ビールだけにしておこうかな」
「痛風が怖いから、プリン体が少ないウイスキーばかりを飲んでいるんだ」

年末の忘年会や正月の親族の集まり、あるいは年明けの新年会で、このような話を聞いたという人は少なくないのではないでしょうか。しかし、「尿酸値が高い」ことが「痛風」という病気につながり、それには「プリン体」が関係しているらしい、ということは何となく分かっていても、これらがどのように関係しているのかについては、実際に尿酸値が高かったり痛風に悩まされていたりしていないと案外気にしていないものです。

ではその関係を知るために、尿酸値と痛風、プリン体とはどのようなものなのかについて解説します。尿酸値は、健康診断で行う血液検査の結果で出てくる数値で、血液中の尿酸濃度を示しています。7.0mg/dL以下が基準値とされていて、基準値を超えると高尿酸血症の状態だといわれます。高尿酸血症の状態を放置していると、痛風の発症リスクが高まってしまうのです。

血液に溶け込めなくなった尿酸が結晶になり、痛風の原因に

痛風の典型的な症状は、「風が当たっただけでも痛い」と表現されるほどの激痛を伴う関節炎です。痛風が起こる原因は、尿酸結晶が関節にたまり、神経を刺激することです。

図:尿酸が間接にたまり、神経を刺激している

高尿酸血症の状態になると、尿酸が血液に溶け込めなくなって飽和し、結晶になります。尿酸結晶は、体温が低い体の末端の部位にたまりやすいため、痛風は足の親指の付け根、足首、足の甲やかかとといった部位によく生じるのです。

体内のプリン体を分解する際に生まれる老廃物が尿酸

では、プリン体とは何なのでしょうか。プリン体は、運動したり臓器を動かしたりといった生命活動を行うために必要な物質です。新しい細胞を作る役割を持っているため、体内で常に作られています。

ただ、体内で作るプリン体だけではなく、私たちは日々食品からもプリン体を摂取しています。このプリン体が体内で使用されて分解される時に生まれる老廃物が、尿酸なのです。

通常はプリン体が分解されて生み出された尿酸は、一定量が体内にたまると自然に排出されます。しかしプリン体を摂取し過ぎていると、たまった尿酸を排出し切れずに、高尿酸血症につながってしまうのです。

これらが尿酸値と痛風、そしてプリン体の関係です。

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尿酸値を下げて痛風を予防するためにできることは?

痛風を予防するためには、尿酸値を下げる必要があります。そのためにできることは、いくつか挙げられます。

プリン体の摂取を抑える

「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」(日本痛風・尿酸核酸学会)では、プリン体の一日の摂取量の目安は400mgとされています。

プリン体含有量の多い主な食品(mg/100g)
穀類 そば粉 75.9 魚介類 カツオ 211.4
野菜 ホウレンソウ(芽) 171.9 マグロ 157.4
干しシイタケ 379.5 スルメイカ 186.8
マイタケ 98.5 タコ 137.3
ヒラタケ 142.3 カキ 184.5
豆類 乾燥大豆 172.5 魚卵など タラコ 120.7
納豆 113.9 ウニ 137.3
肉類 豚レバー 284.8 干物 ニボシ 746.1
牛レバー 219.8 カツオブシ 493.3
鶏レバー 312.2 マイワシ 305.7

出典:公益財団法人痛風・尿酸財団公式サイトより作成

上の表のように、肉類(特にレバー)や魚介類の一部、魚卵、干物などは特にプリン体含有量が多いため、バランスよく食べる必要があります。

お酒を控える

お酒にも、プリン体が含まれています。以下の表のように、特にビールのプリン体含有量が多いため、注意が必要です。

アルコール飲料中のプリン体含有量(mg/100ml)
蒸留酒 焼酎(25%) 0
ウイスキー 0.1
ブランデー 0.4
醸造酒 日本酒 1.2
ワイン 0.4
ビール 3.3~6.9
発泡酒 0.1~3.9
紹興酒 11.6
地ビール 5.8~16.6

出典:公益財団法人痛風・尿酸財団公式サイトより作成

近年は「プリン体オフ」をうたったビール風アルコール飲料が販売されています。ビールの代わりに飲むという人もいるかもしれません。ただ、注意したいのはアルコール自体に尿酸値を上げる作用があることです。プリン体含有量が少ないアルコール飲料だからといって大量に飲酒してしまうと、結局尿酸値が高くなる結果に結び付いてしまいます。

有酸素運動を行い、小まめに水分を補給する

ジョギングやウオーキング、水泳といった有酸素運動を行うことは、尿酸値を下げるのに効果的です。ただし注意したいのは、短距離走やウエートトレーニングなどの無酸素運動は逆に体内のプリン体を増やしてしまうため、逆効果です。

また、小まめに水分を補給して尿量を増やし、体内の尿酸の排出を増やすことも重要です。

高尿酸血症によってリスクが高まる病気は、痛風だけに限らない

高尿酸血症の状態を放置することでリスクが高まる病気は、痛風だけではありません。尿酸の結晶は関節以外に腎臓にもたまります。その状態が進行すれば、腎機能障害や尿路結石なども発症することがあります。

また高尿酸血症は、糖尿病や脂質異常症、肥満といった生活習慣病とも強く関連していて、いずれは動脈硬化を進行させる原因にもなり得ます。

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更新:2026.01.12