子どもの「アタマジラミ」、初夏は流行に注意!対処法と予防法は?

コロナ禍明けから、相談件数が増加傾向にある子どもの「アタマジラミ」。寄生初期にはあまりかゆみを感じませんが、放置しているとかゆみが激しくなり、湿疹や頭皮をかきむしることによる炎症にもつながっていきます。頭同士の接触やタオルの貸し借りによって感染するため、特に保育園・幼稚園での水遊びや小学校でのプールの授業が始まるこれからの季節には、注意が必要です。
近年増え続けるアタマジラミの相談件数
頭皮に寄生して血を吸うことで、かゆみを引き起こす
アタマジラミとは人の頭部、特に耳の周囲から襟足にかけての部分に寄生し、頭皮から吸血する寄生虫です。血を吸われた箇所はかゆくなります。寄生初期はそれほどかゆみを感じませんが、寄生するアタマジラミの数が増えるにつれてかゆみが増し、そのまま放置していると湿疹や、頭皮をかきむしることによる炎症へとつながっていきます。
アタマジラミは幼虫でも成虫でも体長に変わりはなく2~3mm程度の大きさで、羽がないため飛んだり跳ねたりせず、人の髪の毛に付着しています。成虫は一日当たり3~9個程度の卵を、髪の毛に強く固着するように産み付けます。

卵は全長約0.5mmの大きさです。乳白色のため、一見皮脂やヘアーキャスト(毛根部の皮膚がリング状に外れたもの)と見間違えることもありますが、アタマジラミの卵はのりで固めたように髪の毛に付着しているのに対し、皮脂やヘアーキャストは簡単に取り除けるため、区別が可能です。
コロナ禍後にアタマジラミの相談件数は増加傾向
第二次世界大戦後の混乱期、劣悪な衛生状態によりアタマジラミが流行しましたが、DDTという強力な殺虫剤によって激減しました。
その後、DDTは体に悪影響があるということで使用禁止になり、アタマジラミは1970年代後半に子どもたちを中心に再流行したのですが、1980年代に入り新たな殺虫剤が開発されたことでまた落ち着きを見せました。
ところが今度は既存の殺虫剤に対して抵抗力を持ったアタマジラミが現れたことで、今なお完全に根絶するには至っていません。ここ最近では、コロナ禍の影響で外出に制限がかかった時期に落ち着きを見せましたが、コロナ禍後は再び増加傾向です。東京都内の保健所などへの相談件数も、2022年から2024年にかけて約3.5倍にまで増えています。

頭同士の接触やタオルの貸し借りによってアタマジラミが移動
近年アタマジラミの寄生が起こるケースの多くは衛生状況とは関係がありません。保育園や幼稚園などで子どもが遊ぶ際に頭同士が接触することや、小学校でのプールの授業でタオルを貸し借りすることなどによって、成虫が移動する場合がほとんどです。そのため集団行動をしたり、複数人で遊んだりする機会の多い子どもたちにアタマジラミが寄生することが多いのが特徴です。逆に、成人ではアタマジラミに悩まされるケースはあまり見かけません。

6月から9月にかけては、保育園や幼稚園、小学校でプール開きが行われ、水遊びをすることも増える季節です。更衣室で複数人の衣類を重ねて置く、あるいはタオルを貸し借りすると、アタマジラミの感染につながるため、注意が必要です。なお、プールに入っていてもアタマジラミは髪の毛に付着したままなので、水を介してアタマジラミが他の子どもの頭に移動することはありません。
アタマジラミの対処法
毎日髪の毛を洗うこと
アタマジラミの対策で肝心なのは、速やかに発見して取り除くことです。早期に取り除くことで子どもたちの被害も最小で抑えることができ、また他の子どもたちへうつしてしまうことも防げます。
基本的な対処法としては、毎日子どもの髪の毛を洗うことが挙げられます。一般的なシャンプーで念入りに洗い流せば、アタマジラミの成虫のほとんどを取り除くことができます。卵は洗い流せませんが、成虫をすべて洗い流せば新たに卵を産み付けられることもなくなります。
ただし、子どもだけで髪の毛を洗っていると洗い方が不十分な場合がありますので、10日間から2週間程度は、大人の手で念入りに洗髪してあげることが大切です。
髪をくしでとかす
歯の間隔が狭い(0.1~0.2mm)くしで髪の毛をとかすことも、アタマジラミの駆除には効果的です。生え際からしっかりとくしを入れてとかすことで、アタマジラミの幼虫や成虫(体長2~3mm)も卵(全長約0.5mm)も物理的に取り除くことができます。
駆除剤を使用する
殺虫成分を含むアタマジラミ駆除用のシャンプーや、アタマジラミの幼虫や成虫、そして卵もコーティングして駆除するローションタイプの駆除剤などを用いて取り除く方法もあります。
駆除剤には専用のくしが付いていることが多く、シャンプータイプでもローションタイプでも、髪の毛に塗布した後5分程度時間を置いて、専用のくしで髪の毛をとかしてアタマジラミを取り除きます。ただし、卵は1回ではすべて取り除けない可能性があります。アタマジラミの卵は7~10日でふ化するため、タイミングを合わせて何度か駆除を繰り返すことで、完全にアタマジラミを取り除くことが可能です。
アタマジラミの予防法
身の回りの物の共用を避ける
アタマジラミを予防するうえで大切なのは、タオルや衣類はもちろんのことながら、寝具、くしなども共用を避けることです。
また、アタマジラミにすでに寄生されている場合は、衣類やタオル、寝具は続けて使用せずに、毎日取り換えることも重要です。衣類やタオル、寝具などにはアタマジラミが付着していることがあるため、同じものを続けて使用すると、せっかく髪の毛からアタマジラミを取り除いても再度寄生されることがあります。
熱湯で消毒する
アタマジラミは熱に弱く、60℃以上の熱湯に衣類やタオル、シーツ、枕カバーなどの寝具を5分以上浸けると、ほぼすべてのアタマジラミの幼虫、成虫、卵を死滅させることができます。
アタマジラミが付着している可能性がある衣類やタオル、寝具などは、熱湯に浸けた後で洗濯をするのがおすすめです。また高温に設定した乾燥機を使用することや、衣類をアイロンがけすることも完全ではないにしろ、効果があります。さらに、洗髪後に丁寧にドライヤーで髪の毛を乾かすことも、同様に有効です。
ただし、アタマジラミが熱に弱いからといって、寄生された子どもの髪の毛に直接熱湯をかけることは絶対に避けてください。やけどの原因になります。
更新:2026.06.18
