認知症全般 認知症の治療&ケア:予防・早期発見から最新治療まで一貫した専門的サポート体制
精神科

当院は、認知症予防から治療まで幅広くサポートしています。
地域との連携を大切にし、個々のニーズに応じたケアを提供し、患者さんが安心して暮らせるよう支援しています。
地域住民と連携して認知症予防に取り組む
当院は、認知症になる前から地域住民と積極的に関わりを持っています。特に吉野ヶ里町では、地域住民を対象に「吉野ヶ里脳MRI健診」を実施しています。この健診は、早期に認知症の兆候を発見し、適切な対応を取るための重要な手段です。
また、毎年多職種の職員が地域に出向いて「もの忘れ相談」も実施しています。
外来では、さまざまな患者さんの診察を行っています。軽度認知障害(MCI:認知症の前段階)の状態では、物忘れを自覚することも多く、自ら病院を受診する人もいます。この段階での早期発見と対応は、認知症への進行を予防するために非常に有効です。当院ではMCIの方を対象に「ひぜん☆いきいき脳活クラブ」(図)を運営しています。

ここでは、多職種の専門家が関わり、有酸素運動を取り入れた運動プログラムや、食事指導、季節の行事、生活相談、そして患者さん同士の交流など、さまざまな活動を行っています。これにより、参加者は身体的・精神的な健康を維持し、認知症の進行を遅らせることが期待されます。
このように、当院は、地域住民と連携しながら、早期の認知症予防に積極的に取り組んでいます。
行動・心理症状の専門的治療と社会福祉連携サポート
認知症の状態になると、日常生活にいろいろと支障が出てきます。さまざまな検査を行い、正確に診断し、患者さんの日常生活の工夫や家族への対応方法を具体的に提案します。必要に応じて薬物療法を開始します。認知症になると自動車運転にも影響を及ぼすことが多いため、その点についても専門的な助言を行うこともあります。
認知症になると、もの忘れだけでなく、行動・心理症状(BPSD)が見られることもよくあります。BPSDは、認知症の進行に伴い現れる行動や心理の変化で、患者さん本人や家族にとって大きな負担となるため、適切な治療が必要です。BPSDが顕著になった場合には、入院治療を提案し、専門スタッフによる集中的なケアを提供します。当院には、認知症の専門医、認知症専門の看護師、認知症ケア専門士(看護師&精神保健福祉士)が複数おり、これらの職員が認知症の治療・ケア・支援に当たります。
治療と同時に、退院後の生活に向け、社会福祉連携のサポートも行います。介護保険の申請支援、福祉サービスの利用に向けての支援などを行います。自宅や施設など、患者さんが住み慣れた地域でなるべく長く生活できるように、そしてそれぞれの場所で最適な医療を受け続けられるよう関わります。また、認知症の方が安心して暮らせるよう、成年後見制度の利用を提案することもあります。成年後見制度とは、判断能力が不十分な方のために、法律的なサポートを提供する制度です。これにより、財産管理や日常生活の重要な手続きなどを支援し、本人や家族の負担を軽減します。
最新の治療と地域への情報発信
最新の治療、新しい治療法の開発にも力を入れています。2023年に承認されたばかりの新薬「レカネマブ」による治療も受けることができます。また、適宜治験(ちけん)を行っています。治験は、新しい薬や治療法の有効性と安全性を確認するための臨床試験です。新しい治療法の研究開発は、認知症の進行を遅らせるだけでなく、将来的には認知症の予防や根治を目指すための重要な取り組みです。最新の治療や治験などにより、よりよい治療法を提供し、患者さんの生活の質を向上させることを目指しています。
また、「さがん☆認知症フォーラム」を毎年開催し、社会への情報発信を積極的に行っています。フォーラムでは、著名人の講演や当院の専門家による講演などを行います。認知症の方やその家族、地域住民など誰でも参加でき、認知症についての理解を深めることができます。これにより、誰もが住みやすい社会を目指し、認知症に優しい地域づくりを推進しています。
更新:2026.08.14
