新生児のケア 24時間態勢で治療やケアにあたる
徳島大学病院
総合周産期母子医療センター
徳島県徳島市蔵本町

当院における新生児の異常と診療態勢
当センターでは、新生児を専門に診療している新生児科医が4人、24時間態勢で治療やケアにあたっています。
新生児集中治療室(NICU)では、特別な治療やケアが必要な赤ちゃんを育てています。NICUに入院する赤ちゃんの病気や異常は大きく4つに分けられます。
低出生体重児
NICUに入院する赤ちゃんの多くは、早く小さく生まれたいわゆる未熟児です。当院は、未熟児の赤ちゃんを受け入れており、500グラムで生まれた赤ちゃんが元気に退院するケースも増えてきました。
28週未満で生まれた赤ちゃんは生後、呼吸困難になるため、すぐに気管内挿管をして肺をふくらませる薬を投与し(写真)、肺を傷つけないようできる限りやさしい呼吸管理を行います。その後は脳性麻痺(のうせいまひ)の原因となる頭蓋内(ずがいない)出血や虚血を起こさないように細心の注意を払いながら母乳で育てます。未熟児網膜症の検査と治療は専門の眼科医が行います。

先天性心疾患
心室中隔欠損や心房中隔欠損のように、生後、しばらくは治療の必要がない病気もありますが、逆に大血管転位症や大動脈縮窄症(だいどうみゃくしゅくさくしょう)などのように、生後、直ちに治療をしないと命にかかわる病気もあります。当院では産科医が胎児超音波検査を詳しく行い、先天性心疾患の赤ちゃんを生まれる前に発見・診断します。
お産の際にはNICUの新生児科医が立ち会い、生まれたらすぐに必要な薬を投与します。その後の管理は小児循環器科医と一緒に行い、赤ちゃんの体力がついたら心臓血管外科医に手術を依頼します。
小児外科疾患
食道閉鎖や十二指腸閉鎖などの消化管の病気や横隔膜ヘルニアが含まれます。産科医によって胎児期に診断されることが多く、お産の際には万全の準備をした上で新生児科医が立ち会います。
手術時期は病気によって異なりますが、熟練した小児外科医が担当します。
先天異常・先天奇形
染色体異常、脳の形成異常や奇形症候群があり、重症度もさまざまです。18トリソミーのような、とても重い症状のある赤ちゃんが生まれた場合は、赤ちゃんにとって何が最善かを考えながら、ご両親とわれわれで議論して治療方針を決定します。
更新:2022.03.04