重症から軽症まで24時間365日体制の断らない救急医療

藤田医科大学病院

救命救急センター

愛知県豊明市沓掛町町田楽ヶ窪

蘇生や緊急手術に即対応できる専門施設

総合救命救急センターは、生命の危機にある患者さんへの救命を目的に1979年、三次救急病院(※)の指定に合わせて開設しました。初期診察を担当する救急外来(ER)のほか、専用の検査室や集中治療室を備え、蘇生や緊急手術にも即対応できる専門施設となっています。さらに血管救急、脳神経救急、外傷、熱傷、中毒に対応できる専門医が24時間常駐しており、広域災害も視野に入れた全国でもトップレベルの体制を敷いています。

厚生労働省が全国289か所の救命救急センターを対象に行った充実度評価(2019年3月発表)では、4段階のうち最も高い[S評価]をいただきました。

(※) 三次救急病院 救急指定病院は軽症を診る一次から重篤者の救命を担う三次救急に区分化されており、当センターは1979年に愛知県で2例目の三次救急病院に指定されています。

地域の安心を支える「断らない救急医療」

重篤者のみを対象とする大学病院が多い中、当センターは救急搬送から徒歩での来院まで、重症軽症問わず24時間365日体制で受け入れる「断らない救急医療」を実践してきました。2018年度の救急車搬送件数は、全国の大学病院でも上位の約9600台で、受け入れ率はほぼ100%です。東海地方の他院からの紹介搬送も多く、地域医療の最後の砦として厚い信頼を得ています。

消防機関や地域からの要請でドクターカーを出動させることもあります。ドクターカーとは、救急搬送では救命が間に合わないと判断したときに救急医と看護師が現場へ急行し、治療を行うものです。

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写真1:医師・看護師が同乗するドクターカー

また、基幹災害拠点病院である当院は、大規模災害時には救急医を中心としたDMAT(災害医療支援チーム)を派遣する体制も整備しています。

救急医と専門医の連携で多くの救命が可能に

受け入れた患者さんを最初に診察するのが救急外来(ER)です。センターには交通事故による外傷から熱傷、高熱、骨折、心肺停止などさまざまな患者さんがやってきます。そのため救急外来では、救急総合内科の救急医がすべての患者さんを診察し、緊急度や優先すべき治療を判断、適切な専門医へと引き継ぐER型救急というスタイルを採用しています。特に高齢社会になり、救急の現場は外傷よりも心筋梗塞(しんきんこうそく)や脳卒中など内科的疾患が多くを占めるようになってきました。

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写真2:24時間365日体制で受け入れる救急外来(ER)

ER型救急医が多角的視点から初期診断を行い、脳や心臓、整形など各専門医が高度医療を行うことで多くの救命が可能になると考えています。

チーム医療で1日も早い回復をめざす

当センターには、救急外来(ER)のほか、手術後の全身管理を行う「救命ICU(集中治療室)」、脳血管疾患の集中治療を担う「NCU(神経系疾患治療室)」、心臓病を主とした循環器系疾患の集中治療にあたる「CCU(冠状動脈疾患治療室)」、複数の診療科にわたる疾患を担当する「GICU(全身的疾患集中治療室)」、広範囲の熱傷や急性中毒を専門とした「災害外傷センター」を設置しています。それぞれ専門医や看護師、診療放射線技師、臨床検査技師、薬剤師など他職種がチームを組み、24時間万全の体制で集中治療にあたっています。

当センターの絶対的な目標は、命を救うことであり、回復です。「どんな場面からも決して逃げないこと。患者さんの最善を考えること」。その言葉を胸に、チーム一丸となって患者さんの1日も早い回復をサポートします。

いつどんなときにも頼れる病院がある――。私たち総合救命救急センターの医療スタッフは、これからも地域の皆さんに「安心感」を届けられる存在であり続けたいと考えています。

更新:2024.11.07