最新の肝臓・胆道・膵臓がん手術

札幌医科大学附属病院

消化器・総合、乳腺・内分泌外科

北海道札幌市中央区

肝・膵がんの体にやさしい手術

当科では、患者さんごとに適切な肝臓の切除量を予測する、独自の肝予備能スコア(切除可能肝容量)を用いることで安全な肝切除術の提供に努めています(図1)。また、過度に進行してない肝がんや膵がんには腹腔鏡手術(ふくくうきょうしゅじゅつ)が可能です。開腹手術と比較して手術侵襲(しんしゅう)(体への負担)や創(きず)を小さくすることができ、術後の回復も早くなります(図2)。肝臓では、蛍光色素(ICG)で腫瘍(しゅよう)の部位を明らかにする技術で手術の最適化にも努めています。

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図1 当科肝予備能スコア
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図2 腹腔鏡下膵体尾部切除(手術中、お腹の創)

困難症例のコンバージョン手術

完全切除が危ぶまれるなど、発見時に切除不能な胆道・膵がんの患者さんには、化学療法(抗がん剤治療)や放射線治療を先行し、がんをコントロールし縮小させた後に手術(=コンバージョン手術)を行う集学的治療に取り組んでいます。このような場合は、血管の切除・再建(つなぎ直す)を要する大きな手術となることが多い一方、この治療により、手術を受けられなかった場合と比較して生存成績は大きく向上します。

更新:2024.09.23