エコー(超音波)検査、生理検査とは?
札幌医科大学附属病院
検査部
北海道札幌市中央区

エコー検査
「エコー」は「超音波」と同じ意味で、人が聞くことができない高い「音」のことをいいます。エコーを体に当てて体の中で跳ね返ってきたものを電気信号に変え画像に表します。「音」を利用する検査なので、体への負担がとても少ない検査とされています。
体の中を画像でみることができるので、心臓や肝臓などの臓器やがんなどの腫瘤(しゅりゅう)の「大きさ」「形」、心臓などの「動き」を評価することができます。また血液の「流れ」や「速さ」もわかります。
エコー検査はどんなことをするの?
エコー(超音波)を体に通すことができればさまざまな臓器の検査が可能です。代表的なエコー検査には、肝臓、膵臓(すいぞう)、胆嚢(たんのう)、腎臓(じんぞう)などをみる「腹部エコー」、心臓をみる「心エコー」、血管をみる「頸動脈(けいどうみゃく)エコー」や「深部静脈(しんぶじょうみゃく)エコー」があります。空気はエコーを通しにくいため「肺」や、「骨」などの硬いものの評価には、CTやMRIが用いられることが多いです。
仰向(あおむ)けや横向きで寝て、腹部エコーは「お腹(なか)」、心エコーや乳腺エコーは「胸」、甲状腺エコーや頸動脈エコーは「首」にゼリーを塗ったプローブと呼ばれる機械を当てます(写真)。検査中は息を吸って止めることや体の向きを変えることをお願いすることがあります。痛い検査ではありません。かかる時間は検査する部位により違いますが、おおよそ15~30分です。

検査前に準備することはありますか?
腹部エコーの場合、午前の検査は朝食抜き、午後の検査は昼食抜きになります。胃の中に食べ物があると、胃の背中側にある膵臓を綺麗に映すことができなくなります。また胆嚢は食事により縮んでしまうため、小さな胆石やポリープなどの評価が難しくなるからです。また検査前に水、お茶は飲んでも良いですが、牛乳やミルク入りのコーヒー、ジュースなどは飲まないでください。
腹部エコー以外の検査(心臓や甲状腺、乳腺、血管)であれば基本的に食事制限はありません。服装は軽装で、心エコーは「胸」、腹部エコーは、みぞおちから腰骨くらいまでの「お腹」の素肌を出して検査をします。
生理検査
「生理検査」は直接患者さんに接して行う検査で、さまざまな種類があります。
心電図検査
仰向けになり手脚と胸に機械を装着します。心臓から流れてくる電気を波形で表し、不整脈や心筋梗塞(しんきんこうそく)など、心臓の異常の有無を調べることができる検査です。
肺機能検査
ホースをくわえ大きく息をすったり吐いたりすることで、肺の大きさ、吐く息の速さ、肺内のガス濃度を測定し、肺の機能を調べます。患者さんの協力が必要な検査です。
脈波検査
両方の手脚に血圧計を巻き、4箇所同時に血圧を測定します。血管の硬さ(動脈硬化)や脚の動脈の詰まりの有無を簡単に調べることが可能です。
脳波検査
頭に機械を装着し、脳から流れてくる電気を波形で表します。意識消失などの原因となる「てんかん」などを評価します。眠る必要がある場合は、多少時間がかかります。
筋電図・神経伝導検査
筋肉や神経に異常がないか、筋肉や神経に電気の刺激を与え、信号の伝わり方を記録し評価します。電気の刺激なので多少痛みを伴います。
更新:2024.09.23