よりよいコントロールをめざして ~喘息の最新治療
札幌医科大学附属病院
呼吸器・アレルギー内科
北海道札幌市中央区

喘息(気管支喘息)とは?
喘息は空気の通り道である気道に炎症が起こることで、咳(せき)や息苦しさ、息をするときにぜいぜい・ヒューヒューするなどの症状が生じる慢性のアレルギー疾患です。喘息患者さんの気道は炎症のために過敏になっていて、わずかな刺激にも過剰に反応して収縮し、空気の通り道が細くなります。これは薬によって、あるいは自然に治まりますが、症状のないときでも気道の炎症や過敏な状態は続いています(図)。

喘息ではどんな治療をするの?
喘息治療の目標は「普通の生活」ができることです。喘息の治療薬は、気道の炎症を抑えて発作が起こらないように毎日継続する「長期管理薬」と、発作が起きたときだけ使用する「発作治療薬」に分けられます。
長期管理薬の主役は吸入ステロイド。これに気管支拡張薬などを組み合わせて治療します。調子が良くても途中でやめたりせず、より良いコントロールをめざしましょう。
治療を続けているのに症状が良くならないときは?
きちんと治療薬を続けているのに症状が残っていたり、たびたび発作が起きるような喘息を「重症喘息」といい、喘息患者さんのうち5~10%が重症喘息であると推定されています。
最近、生物学的製剤と呼ばれる、喘息の炎症を引き起こす物質をピンポイントで抑える薬剤が登場し、重症喘息の治療に高い効果を上げています。値段が高い、注射が必要などのデメリットもありますが、劇的な効果が得られる場合もあります。喘息症状に困っている方は専門医への相談をお勧めします。
更新:2024.09.23