口腔内の環境って大切

札幌医科大学附属病院

歯科口腔外科

北海道札幌市中央区

厚生労働省と日本歯科医師会が2022年までに80歳で20本以上自分の歯を保有する者(8020(ハチマルニイマル)達成者)の割合を50%以上にするという目標を掲げていましたが、2016年に目標を達成しました。しかし、8020達成者でも何でもかめて食べることができる人の割合は低いことがわかりました。歯がある=何でも食べることができるではなく、そこには「口腔(こうくう)機能の低下・口腔環境」の悪化が潜んでいます。歯を失う原因で最も多いのが歯周病です。

最近の研究で、心血管疾患、糖尿病、認知症、非アルコール性脂肪肝炎と歯周病が関連していることがわかってきており、日ごろの口腔ケアをしっかり行い、口腔環境を悪化させないことが大切です。それと同時に、口腔のささいな衰え(むせる・食べこぼす、食欲がない・少ししか食べない、やわらかいものばかりを食べる、滑舌(かつぜつ)が悪い・舌が回らない、口が乾く・においが気になる、自分の歯が少ない、顎(あご)の力が弱い)が積み重なるとオーラルフレイルというフレイル(虚弱)の前段階になっている可能性があります。専門的な口のリハビリテーションを行うことでフレイルを防ぐことができますので、まずはかかりつけの歯科を受診して評価してもらいましょう。

イラスト
歯科で口の機能低下を防ぐトレーニングをしましょう!

更新:2024.09.23