ロコモ予防について教えてください

リハビリテーション科 整形外科

ロコモとは?

運動器(骨、関節、筋肉、神経など)の傷害によって、立ったり歩いたりするための身体能力が低下した状態を「ロコモティブシンドローム」=ロコモといいます。2007年に公益社団法人日本整形外科学会が提唱し、普及してきた概念です。片脚立(へんきゃくだ)ちで靴下がはけない、階段を上がるのに手すりが必要、横断歩道を青信号で渡りきれない等の方は要注意です。

ロコモ度には、1、2、3の3種類があり、ロコモ度3が最も重症で、社会参加に支障をきたしている状態です。ロコモ度1は移動機能の低下が始まっている状態、ロコモ度2は移動機能の低下が進行している状態です。

ロコモ度は以下の1.「立ち上がりテスト」、2.「2ステップテスト」、3.「ロコモ25」の3つのテストで判定し、一番悪いテスト結果をその方のロコモ度とします。

1.立ち上がりテスト
片脚または両脚で座った姿勢から立ち上がり、下肢(かし)の筋力を測ります(図)。

図
図 両脚で立ち上がりテスト:反動をつけずに立ち上がり、3秒間保持します(出典:ロコモチャレンジ!推進協議会「ロコモパンフレット2020年度版」)
2.2ステップテスト
2歩幅(cm)÷身長(cm)の2ステップ値で、ロコモ度を調べます。
3.ロコモ25
25の質問によるロコモ度判定です。頸(くび)、肩、上肢(じょうし)、腰、下肢など、体の痛みの度合い、起き上がり、トイレ、入浴といった生活動作の困難さの度合いなどの質問に答えて、0から100点で評価します(100点が最も重症)。

ロコモ予防にはどうしたらいいの?

ロコトレ(ロコモーショントレーニング)を行いましょう。これは2つの運動、「片脚立ち」と「スクワット」です。「片脚立ち」はバランス能力、「スクワット」は下肢の筋力をつけるトレーニングです。いつまでも元気な足腰でいるために、無理せず続けていくことが重要です。

当院での取り組みとして、地域でロコモ予防の講演を行い、また、入院患者さんには、主治医からの依頼で、この場合は廃用(*)予防になりますが、日常生活動作訓練や筋力訓練などを行っています。

*廃用:長期間にわたり安静を続けることで、筋力低下や心肺機能の低下、うつ状態など、体に生じるさまざまな悪影響

ロコモについては、「日本整形外科学会ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト」(https://locomo-joa.jp/)に詳しい情報が掲載されています。

更新:2023.08.27