高血圧のコントロールとコレステロールについて教えてください

循環器内科 糖尿病・内分泌内科

高血圧のコントロールはどうして大事なの?

高血圧とは、安静の状態での血圧が慢性的に正常値よりも高い状態のことです。高血圧の状態が続くと、動脈硬化を促進させ、脳卒中(脳梗塞(のうこうそく)、脳出血)、心臓病(冠動脈疾患、心不全など)、腎臓病(じんぞうびょう)(腎硬化症など)、大血管疾患の重大な原因疾患となります。

高血圧治療の目的は、高血圧の持続によってもたらされる、脳心血管病の発症・進展・再発の抑制とともに、それらによる死亡を減少させ、健康で高いQOL(生活の質)を保った日常生活を送れるよう支援することであり、良好な血圧コントロールを続けることが大事です。

高血圧に対する降圧療法には、降圧剤を内服するだけでなく、減塩を中心とした食事療法、運動、アルコール制限、禁煙、肥満の改善などの生活習慣の修正、および睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)に対する持続陽圧呼吸や二次性高血圧に対する腎動脈形成術、副腎腫瘤摘出術(ふくじんしゅりゅうてきしゅつじゅつ)などが含まれています。当院では高血圧に対して、多くの科や栄養部をはじめとした多職種で治療を行っています。

また、血圧管理に関しては朝夕の家庭での血圧測定が大事です。135/85mmHg以上の場合は高血圧として対処する必要があり、血圧測定時に「血圧手帳」を用いて、日常の血圧管理に関しても指導しています。

コレステロールのコントロールはどうして大事なの?

コレステロールには、悪玉(LDL)コレステロールと善玉(HDL)コレステロールがあります。悪玉コレステロールは、全身にコレステロールを運ぶ働きをし、善玉コレステロールは、全身から余分なコレステロールを回収する働きを持っています。血液検査(空腹時)で、LDLコレステロール値が140mg/dL以上を高LDLコレステロール血症、HDLコレステロール値が40mg/dL未満を低HDLコレステロール血症と呼び、脂質異常症の診断となります。

脂質異常症の治療には、薬物療法や運動療法(定期的に有酸素運動を行う)、食事療法があります。薬物療法にはスタチン製剤をはじめとした内服薬だけでなく、PCSK9阻害薬と呼ばれる注射での治療薬もあります。適切な治療を行うことによって良好なコレステロールのコントロールができ、動脈硬化性疾患の予防につながります。

当院では高血圧と同様に、コレステロール異常などの脂質異常症に対しても、多くの科や栄養部をはじめとした多職種で治療を行っています。

更新:2024.10.24