7月では遅すぎる!?梅雨明けまでに済ませたい熱中症対策「暑熱順化」
メディカルブレイン編集部

歴史的な猛暑となった2025年の夏。すでに、今年の夏も昨年に負けず劣らず暑くなると予想されています。熱中症対策として、首元を冷やすネックリングや携帯扇風機、冷却スプレーといった暑さ対策グッズを購入したという人も少なくありません。しかし、見落とされがちな熱中症対策が、体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」です。今回は、「暑熱順化」の手順や効果などについて解説します。
2026年は、5月時点で真夏日がすでに各地で続出
記録ずくめの歴史的猛暑だった2025年の夏
昨年(2025年)の夏は、8月5日に群馬県伊勢崎市で最高気温41.8℃を記録して国内の歴代最高気温を更新したり、最高気温40℃以上を観測した地点が積算で30を超え過去最高を記録したりと、歴史的な猛暑になりました。
また、昨年は5月から9月にかけての熱中症による救急搬送者数も100,510人となり、2008年の調査開始以降で初めて10万人を超え、まさに記録ずくめの猛暑だったといえます。
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2026年の夏も、9割の日が平均より暑くなると予想
今年(2026年)の夏も、昨年と比較しても同等かそれ以上に暑くなることが、すでに予想されています。気象庁が5月19日に発表した向こう3か月間(6月~8月)の平均気温の予想を見ると、北日本、東日本、西日本、沖縄・奄美のいずれの地域でも、90%が平均並みか平均より高いとされています。

2026年は5月の時点で、各地で気温が30℃を超える真夏日が続出しているため、首元を冷やすネックリングや携帯扇風機、冷却スプレーといった暑さ対策グッズを準備している人も見かけます。しかし、熱中症対策で大切なことは、暑さ対策グッズだけではありません。本格的に暑くなる前から体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」も重要な対策の1つです。しかし、体を暑さに慣れさせるといっても、どのようにすればいいのでしょうか?
「暑熱順化」はどのように行えばいい?
熱中症の仕組み
体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」の手順を説明する前に、熱中症の仕組みについておさらいしましょう。人は運動や代謝でエネルギーを消費する際、そのうちの約30%が熱に変換され、体温が上昇します。
体温が上がると、人の体は皮膚の血管を拡張させることで血液を体の表面に集めて熱を逃がしたり、汗をかいたりすることで気化熱を利用して体温を下げようと働きます。この働きがうまく作用しない、あるいは追いつかない場合に熱が体内にこもり、熱中症が起こります。
体を暑さに慣れさせる「暑熱順化」を行っていると、体の表面の血液量が増えやすくなります。また、汗に含まれる塩分が減ってナトリウムを失いにくくなることで体温の上昇を抑えることができ、その結果熱中症になりにくくなるのです。

ジョギングや入浴など、日常生活の中でできる「暑熱順化」
「暑熱順化」を行ううえで大切なことは、熱中症の危険が高まる夏の前に、日常生活の中で汗をかいて体を暑さに慣れさせておくことが効果的だという点です。
体が暑さに慣れるまでには、数日から2週間程度の時間が必要です。暑さが本格化する前に、余裕をもって始めることが重要です。
「暑熱順化」といっても、特別なことを行う必要はありません。屋外でできる「暑熱順化」としては、ジョギングやウオーキングが挙げられます。ジョギングは1回15分、ウオーキングは1回30分程度で週に5回行うのが目安ですが、特別に時間を取って行わなくても、帰宅時に1駅~2駅前で降りていつもより余分に歩く、というような行動でも効果が得られます。買い物の際に自転車に乗るようでしたら、ジョギングやウオーキングの代わりに1日に30分程度のサイクリングを取り入れても有効です。
また、屋内で行うストレッチ、あるいは入浴でも「暑熱順化」が可能です。ストレッチの場合は、1回30分程度を、週に5回~毎日行うのがコツです。入浴の場合は、シャワーではなく湯船にお湯をはって浸かることを心がけましょう。汗ばむ程度に入浴すると、「暑熱順化」の効果が期待できます。入浴は2日に1度のペースで行うようにしましょう。

暑さから離れると、「暑熱順化」は数日で効果を失う
「暑熱順化」を行う際は、その日の体調や気温、室内環境などに合わせて、無理のない範囲で行うようにすることが大切です。水分や塩分も補給して、「暑熱順化」の最中に熱中症にならないように注意しましょう。
さらに「暑熱順化」は、一度体が暑さに慣れても、数日暑さから離れてしまうと、効果がなくなってしまいます。夏場でクーラーの効いた部屋にこもりがちになる場合は、自身の体が「暑熱順化」できているかどうかを注意することも大切です。
「暑熱順化」で特に注意したい時期とは?
いざ夏になってから「暑熱順化」を行おうとすると、本格化した暑さに体の慣れが間に合わないことがあります。また、夏になる前でも熱中症になる可能性が高い時期があり、これからだと特に以下の時期には注意が必要です。
梅雨の合間の晴れた日
6月に入り梅雨の時季になると、雨で気温が下がり、せっかく「暑熱順化」した体が元通りになってしまうことがあります。そんな中、梅雨の合間に晴れて温度や湿度が上がる日があると、熱中症の危険が高まります。
梅雨明け
梅雨明け直後は、晴れて気温が急に高くなることが多いため、梅雨で気温が下がり「暑熱順化」の効果が失われてしまっていると熱中症が起こる可能性が高くなります。実際、例年熱中症による救急搬送者が増えるのもこの時期です。梅雨の間も、運動や入浴で「暑熱順化」を進めておくことが熱中症対策になります。
お盆明け
お盆期間にクーラーの効いた部屋で過ごすことで、「暑熱順化」の効果が失われ体が元に戻ってしまうことが多い時期です。その状態で帰省や行楽による長距離移動を行うと、熱中症になる可能性が出てきます。
また、すでに過ぎてしまいましたが、5月の暑い日も注意が必要です。近年は5月といえども気温が30℃を超える真夏日になることが珍しくありません。
これらの時期は特に熱中症に気を付ける必要があり、2週間前を目安に「暑熱順化」を始めておくことをおすすめします。
更新:2026.06.05
