新しい時代に向かって-医療福祉サポートセンターの役割

富山大学附属病院

医療福祉サポートセンター 看護部

富山県富山市杉谷

地域医療連携と医療福祉サポート

医療福祉サポートセンターでは、地域医療機関との連携や、患者さんの抱えるさまざまな問題に対応する総合医療福祉相談とその支援を行っています。

昨今の医療制度の改定により、紹介・逆紹介や退院の支援の充実が求められています。また、高齢化や家族形態の変化により、患者さん一人ひとりへのきめ細やかな対応も重要になってきています。

そこで、当センターでは、新しい時代の医療ニーズに応えるために、看護師、ソーシャルワーカー、事務職員の増員を行いました。今より一層、地域医療機関との連携を密にし、患者さんへ医療とともに福祉的な援助も行い、温かな医療支援を提供していきます。

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医療福祉サポートセンターのスタッフ

看護師やソーシャルワーカーの活躍

2017年度には、入退院支援室を設置し、よりスムーズな入退院が可能になりました。そのために、患者さんに寄り添ったきめ細やかな看護師の医療やケアへの対応や、ソーシャルワーカーによる福祉サポートのさらなる充実を目指しています。

医療連携協定病院との医療連携

当院は特定機能病院として、急性期医療を中心とした先進医療や高度医療を行っており、より多くの重症患者さんを受け入れられる体制が必要です。そこで、急性期の治療を終え、症状が安定した患者さんには、病院の機能分化も考慮した上で転院等をお願いしています。

2017年10月からは「医療連携協定病院」制度を設け、2019年度までに6つの医療機関と「医療連携協定」を締結しました。

この「医療連携協定病院(以下協定病院)」と、月に2回程度、地域連携室の担当者同士が顔を合わせてカンファレンスを行い、患者さんの転院後の様子や医療連携に関する連絡事項等を情報共有することで、各協定病院の特徴や得意分野を理解できるようになり、患者さん一人ひとりに応じた退院支援が可能になっています。

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当院から入退院支援室担当の看護師やソーシャルワーカーが協定病院を訪問する際には、転院された患者さんにもお会いするようにしています。転院された病院で、患者さんとお話することで回復の状態を直接確認できます。また患者さんの安心した顔を見られること、時には言葉をかけていただけることが、看護師、ソーシャルワーカーのやりがいにもつながっています。

2019年度には、6つの協定病院が一同に会し、医療連携懇談会を開催しました。協定病院間の信頼関係を築き、より充実した退院支援につながるような連携を目指していきます。

医療連携協定病院との相互人材交流

2019年からは、協定病院間での相互人材交流に取り組んでいます。当院の皮膚・排泄ケア認定看護師を協定病院に月1回派遣し、褥瘡(じょくそう)予防や排泄ケアの知識や技術のアドバイスをしています。

また、協定病院の看護師が、当院から転院予定の患者さんについて、当院での様子を見学し、転院後も同じ看護ケアが行えるように取り組んでいます。転院前に転院先の看護師と顔を合わせることで、患者さんの安心にもつながっています。

患者さんが転院された後は、当院の病棟看護師が協定病院を訪問しています。転院された患者さんが地域で生活するための準備にかかわったり、地域包括ケア病棟など当院にはない機能病床を見学したりすることが、当院の看護師の在宅支援に対する能力の向上につながると考えています。

終わりに

これからも、看護師やソーシャルワーカーが生き生きと活躍し、事務職や医師がサポートし合う働きやすい職場をつくって、患者さんやその家族の支援に貢献できるように努めてまいります。また地域の医療機関と連携し、顔の見える地域包括ケアシステムを構築していきます。

医療福祉サポートセンターの役割

地域包括ケアシステムの推進には、多職種連携、地域医療機関との連携、そして患者さんやその家族への支援が重要です。

更新:2024.10.21