最適治療を選択ー悪性リンパ腫・多発性骨髄腫

血液・腫瘍内科

悪性リンパ腫・多発性骨髄腫とは

悪性リンパ腫(しゅ)は血液細胞のリンパ球が、がん化して無制限に増殖する血液がんです。悪性リンパ腫は、リンパ組織であるリンパ節、脾臓(ひぞう)、扁桃腺(へんとうせん)だけでなく、リンパ節以外の胃、腸、脳、精巣といった体のさまざまな場所に局部の腫(は)れとして発症します。

多発性骨髄腫も血液がんです。形質細胞が、がん化して無制限に増殖します。がん細胞は主として骨髄の中で増えますが、体のさまざまな場所に腫瘤(しゅりゅう)を作ることもあります。

最適な治療を選択

悪性リンパ腫では、放射線照射や化学療法(抗がん薬治療)が、主として用いられます。悪性リンパ腫には、さまざまな種類があるため、患者さんごとに最適の治療を選択します。

多発性骨髄腫では近年発売されたボルテゾミブ、レナリドミド、抗CD38抗体といった新しい薬を組み合わせた化学療法(抗がん薬治療)を行います。

必要に応じて抗がん薬を大量に用いる自家造血幹細胞移植併用大量化学療法を行います。

ここが最高――抗がん薬の専門家

血液・腫瘍内科は化学療法(抗がん薬治療)のプロフェッショナル集団です。抗がん薬の専門家が患者さんごとに最適の抗がん薬治療を行います。国内では、当院も含め悪性リンパ腫・多発性骨髄腫の専門家が集まって共通の治療法を用いて治療成績を向上させる努力をしています。さらに、自家造血幹細胞移植併用大量化学療法、イブリツモマブ チウキセタンという特殊なRI標識抗体療法、そしてがん治療最前線にある免疫チェックポイント阻害薬を安全に行うことができます(図)。

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図 血液・腫瘍内科のリンパ腫・骨髄腫治療への取り組み

ここが安全・安心――新病棟に17床の無菌個室

2014年9月に福井大学附属病院新病棟が完成し、血液・腫瘍内科は17床の無菌個室を有しています。必要な患者さんに移植を行います。

ここが最新――多くの臨床試験・治験を実施

日本臨床腫瘍グループ(JCDG)に参加し、全国組織の一施設として多くの臨床研究を行っています。
多発性骨髄腫に対して治験が行われています(エルラナタマブ)。

更新:2024.01.25