チームで栄養面から治療をサポート
栄養部
栄養サポートチームとは
栄養サポートチームは、英語でNutrition Support Teamといい、頭文字をとってNST(エヌエスティ)と呼ばれています。すべての病気において、栄養管理をおろそかにすると、
◆治療効果が十分に得られず、副作用や合併症のリスクが高まることがあります。
◆傷が治りにくくなったり、床ずれができやすくなったりします。
◆免疫力や体力が低下し、治療を続けることが困難になることがあります。
◆筋力が低下し、食べ物や飲み物がうまく飲み込めない「嚥下(えんげ)障害」となることがあります。
そのため、栄養サポートチームでは、患者さんに適切な栄養管理を行い、栄養状態を改善したり、良好に保つことで、栄養面から治療をサポートし、早期回復・早期治癒、そして社会復帰を目指しています(写真)。
栄養に詳しい医師を中心に、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師、言語聴覚士など、所定の研修を受けた専門スタッフがチームを組み、週に1回、栄養管理に関する検討会を開催しています(図)。それぞれの知識や技術を持ち寄り、患者さんや家族の話もお聞きし、「この患者さんのためにはどうすればよいのか」、最も適した栄養のとりかたを話し合い、主治医に提案しています。栄養のとりかたには、口から食べる(経口栄養)以外にも、胃や腸に直接栄養を補給する方法(経腸栄養)や、点滴により栄養を補給する方法(静脈栄養)があります。栄養サポートチームでは、口から食べることができなかったり不十分だったりする場合、経腸栄養や静脈栄養も使いながら、病棟看護師や緩和ケアチーム、摂食・嚥下支援チームといった、ほかの医療チームと情報を共有し、総合的な栄養管理を行っています。
なお、栄養状態の改善が十分でないまま転院される際は、「栄養管理連絡票」を作成し、転院先でも継続した栄養管理が受けられるよう配慮しています。
そのほか、病院スタッフへの知識習得・技術向上を目的とした勉強会や講習会を開催し、病院スタッフの栄養管理に関するレベルアップを図ることもチームの大切な役割です。
更新:2023.09.12