メタボリックシンドローム
内分泌・代謝内科 循環器内科
メタボリックシンドロームとは
メタボリックシンドロームとは糖尿病をはじめとする生活習慣病の全段前の状態を示すものです。糖尿病の境界型や、高血圧・脂質異常症・肥満などがかさなると、心臓や血管の病気になりやすいといわれています。肥満には内臓に脂肪が蓄積する内臓脂肪肥満と、皮下組織に脂肪が蓄積する皮下脂肪型肥満があります。内臓に脂肪が蓄積した脂肪細胞はアディポネクチンなどの善玉因子やTNF-αやIL-6といった悪玉因子を分泌します。悪玉因子によりインスリンの効きが悪くなり、高血糖の原因となります。また、内臓脂肪蓄積型肥満は脂質異常症や高血圧症につながることより、動脈硬化による心筋梗塞や脳梗塞の発症率が高くなることが知られています。
メタボリックシンドロームは内臓脂肪型肥満に加えて、高血糖・高血圧・脂質異常症のうち2つ以上の症状がある状態です。
メタボリックシンドロームと診断されていても症状がないことが多いですが、メタボリックシンドロームの方はそうでない方と比べて、2型糖尿病になるリスクが高く、心筋梗塞や脳梗塞になるリスクが高いことがわかっています。
自覚症状がなくても、内臓脂肪の減少を目的とした食事療法や運動療法による体重、血圧、脂質、血糖値の管理を行うことが大切です。
心筋梗塞や脳卒中のリスク
メタボリックシンドロームの頻度(ひんど)は、年代とともに増加していきます。また、メタボリックシンドロームの人は、心筋梗塞(しんきんこうそく)に2.4倍、脳卒中に1.7倍なりやすいことが分かっています。
生活習慣の見直し
〇食事療法
メタボリックシンドロームの食事で工夫すること
- 摂取エネルギーが過剰にならないようにする
- 良く噛んで食べ、腹七~八分でおさえる
- 間食や甘いジュースお菓子を控える
- 食塩は10/日g以下に控える(高血圧症の場合は6g/日以下)
- こんにゃくやキノコなどの食物繊維を多くとる
- 緑黄色野菜を積極的に食べる
- アルコールは飲み過ぎない
個人の体格や生活リズム、高トリグリセリド血症や高血圧、高血糖などの病態に適した食事内容、制限を継続して行いましょう。
〇運動療法
運動はメタボリックシンドロームの改善には、有酸素運動が有効です。
エネルギーの消費を行うことにより内臓脂肪量が減少することが報告されています。
中強度の運動(自転車エルゴメーター、ジョギング、水泳、体操など)の有酸素運動を行うことが効果的です。
厚生労働省:
https://www.mhlw.go.jp/content/000656470.pdf
個人の体力や運動機能、生活環境に合わせた強度の運動を、継続しましょう。
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更新:2024.09.13