造影CT検査・MRI検査とは?

札幌医科大学附属病院

放射線部

北海道札幌市中央区

造影CT検査

CT(*1)はX線を使用して体の断面を撮影する検査です。病気の発見や診断、治療方針決定などに利用されます。造影CT検査は、造影剤と呼ばれる薬剤を静脈の点滴から注入し、体内を循環させた状態で撮影します。造影剤を使用しないCT検査に比べ、鮮明に病変が描出され、より正確に診断することができます。さらに、最近では3次元画像を構築し、病変、骨、血管等を立体的に観察し、安全な手術のための支援画像として利用されています(図1)。

*1 Computed Tomography

図
図1 左上: CT画像、 左下: 造影CT画像、 右: 手術支援画像

造影剤はまれに副作用が発生することがあります。大半は熱感・かゆみ・吐き気・湿疹等の軽度な副作用ですが、アナフィラキシーショック等の重度な副作用は1万人に1人(0.01%)の割合で発生すると報告されています。

当院では安全に検査ができるように定期的な緊急時対応トレーニング、病院スタッフ間の連携強化に努めています。検査中は看護師や診療放射線技師が常に観察していますので安心してください。なお、造影剤を使用する検査を受ける方の中で、過去に造影CT検査で気分が悪くなった方、腎臓(じんぞう)の病気がある方、糖尿病や喘息(ぜんそく)により薬を処方されている方は予約時にお知らせください。

MRI(*2)は磁力と電波を使って全身を構成する要素、水素原子の割合を画像にする検査です。放射線を使用していませんので被ばくの心配はありませんが、検査時間が30分程度かかること、検査中に大きな音がすることが特徴です。

*2 Magnetic Resonance Imaging

手術や治療で金属や心臓ペースメーカー等の電子機器を装着している方は、材質により磁力による移動や電波による火傷の可能性があるため検査を受けることができない場合があります。

MRIが最も得意とする疾患の1つが脳梗塞(のうこくそく)の検出です。ほかの検査では発見が難しい場合でも、MRIでは発症直後から明瞭に検出可能です(図2)。造影剤を使用しなくても血管画像(MRA)や膵胆管(すいたんかん)画像(MRCP)を取得できます。

図
図2 左上:脳梗塞 右上:脳MRA 左下:MRCP 右下:全身MRI

最近では、がんの全身転移検索にも有用であるとされ、検査需要が高まってきています。MRIは一般的に磁力が強い装置ほど高画質とされています。当院では3テスラという、最も強い磁力の装置2台を含む計5台の装置を用いて、磁気共鳴技術者認定機構より認定を受けた放射線技師が検査を行っています。

CT検査・MRI検査について不明な点がありましたら、スタッフにお尋ねください。

更新:2024.09.23