心房細動の根治をめざす治療法とは?

札幌医科大学附属病院

循環器・腎臓・代謝内分泌内科

北海道札幌市中央区

不整脈(心房細動)とは?

よくみられる不整脈ですが、その1つに「心房細動」があります。脈が乱れてバラバラになることが特徴で、高血圧や肥満、睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)、加齢、遺伝などが原因とされ、近年、患者さんが急増しています。動悸(どうき)や息切れ、疲れやすさなどが主な症状ですが、健診やスマートウォッチなどで偶然発見される無症状の患者さんも多くみられます。心房細動は徐々に進行する疾患であり、脳梗塞(のうこうそく)や心不全を合併するリスクもあるため、詳細な診断と治療が重要です。

心房細動によるリスクとは?

心房細動には、①自覚症状による生活の質(QOL)の低下、②脳梗塞、③心不全の3つのリスクがあげられます。心房細動が起こると心臓の中に血栓(けっせん)(血液のかたまり)ができやすくなり、これが脳の血管に詰まることで脳梗塞を発症します。寝たきりの原因となるため、リスクが高い患者さんでは血栓の予防薬(血液をサラサラにする薬)を内服する必要があります。また、心臓の機能が低下して息切れ、むくみなどの心不全症状が出現することもあります。

心房細動の治療法とは?

生活習慣病を確実にコントロールすること、肥満を是正することがとても重要です。これと同時に症状に応じて心拍数を調整する薬や不整脈を抑える薬を内服します。カテーテルアブレーション(図)は、心房細動の原因部位を焼灼(しょうしゃく)または冷凍することで根治(こんち)(*)をめざす治療法であり、QOL の改善、脳梗塞や心不全のリスク低減が期待できます。

*根治:完全に治すこと。治癒

図
図 カテーテルアブレーション

当院では心房細動を含む各種不整脈に対するカテーテルアブレーションを北海道内に先駆けて導入し、質の高い治療を実践しています。

本疾患の関連病院(紹介を受けてフォローアップ可能な病院)

【札幌市】手稲渓仁会病院
【旭川市】旭川赤十字病院
【室蘭市】製鉄記念室蘭病院
【函館市】函館五稜郭病院【釧路市】釧路孝仁会記念病院

更新:2024.09.23

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